世界の雑記帳:米国で「ノックアウトゲーム」流行か、無差別暴行に警察は苦慮
2013年11月27日 13時57分
[フィラデルフィア 26日 ロイター] -若者が無差別で通行人を暴行する事件が全米各地で増加しており、「ノックアウトゲーム」と呼ばれる新たな犯罪が流行する可能性もあるとして、警察は対応に頭を痛めている。
フィラデルフィアでは、29歳の男性がピザ店の前で10代少年に暴行を受け、重傷を負った。
ノックアウトゲームとは、10代の少年が通行人を無差別で殴り、一発で相手を気絶させるかどうかを競うものとされている。たいていの場合、その様子を撮影し、ソーシャルメディアに投稿して楽しんでいる。
しかし、ノックアウトゲームが他の暴力的路上犯罪とどう違うか明確な定義はなく、どれぐらいの頻度で起きているかについての統計も存在しない。
ノックアウトゲームという呼び方で質問した記者に対し、フィラデルフィアのナッター市長は「暴行は暴行だ。言葉遊びに付き合うつもりはない」と述べ、相次ぐ若者による無差別暴行事件を、流行と位置付けることを避けた。
ニューヨーク市警のケリー本部長も、ブルックリンを中心に多発する暴行事件について、模倣犯の増加を防ぎたいとして、ノックアウトゲームという定義付けを避けている。
ニューヨークの場合、被害者の多くがユダヤ人であることから通常の憎悪犯罪として捜査しているという。
当局が神経をとがらせている背景には、フィラデルフィアで昨年夏、大勢の若者が公共の場所に集合し、通行人を攻撃する「フラッシュモブ」と呼ばれる現象が流行し、当局が若年層の夜間外出禁止令を出す事態になったことがある。
ナッター市長は「もしこのような行為に参加することを考えているのなら、絶対にやってはいけない」と述べ、若者が安易な気持ちで犯罪に手を染めないよう釘を刺した。