国連:「ネット上のプライバシー権尊重」人権委が決議採択

毎日新聞 2013年11月27日 12時19分(最終更新 11月27日 16時03分)

 【ニューヨーク草野和彦】国連総会第3委員会(人権)は26日、インターネットなどデジタル通信上の「プライバシー権の尊重と保護を求める」決議案を全会一致で採択した。国内外での通信傍受や個人データ収集の「負の影響を深く懸念する」とし、独立した監視機構の設置などを加盟国に要請した。

 米国家安全保障局(NSA)による盗聴活動などへの批判の高まりを受け、国際社会の政治的意思を示すことなった。オンライン上のプライバシー保護を訴える総会決議は初めて。ドイツとブラジルが主導し、55カ国が共同提案国となった。

 決議は、法的拘束力はないが、加盟国が国際法に適合したテロ対策を取る必要性を強調。情報収集活動やその手続き、関連法の見直しなども求めた。

 当初案では、通信傍受などが人権侵害につながる恐れがあることを指摘したが、最終案では削られた。ロイター通信は、米国とその情報収集活動に協力していた英国やオーストラリア、カナダ、ニュージーランドを全会一致に参加させるためと伝えている。

 自国民の人権侵害が非難されている北朝鮮も共同提案国の一つで、同国代表は採択前、「国家主権の侵害を許すべきではない」と米国の情報収集活動を批判した。

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