秘密保護法案:NSCと一体、念頭に 与野党合意演出

毎日新聞 2013年11月26日 23時46分(最終更新 11月27日 00時33分)

 特にみんなの協力姿勢は、政府・自民党にとって「うれしい誤算」だった。特定秘密保護法案を巡り、政府・自民党が当初「連携相手」と狙いを定めたのは維新だったからだ。みんなが進んで修正合意したのは「予想外だった」と政府関係者は明かす。結果的には維新、みんな両党と修正合意に達し「強行採決ではない」と言える口実を得た。

 ただ一方で、安倍政権は世論に根強い慎重論や公明党への配慮から、集団的自衛権についての検討を来春以降に先送りした。改憲手続きを定める国民投票法改正案も今国会成立がほぼ不可能になり、自民党内の保守派議員らには不満がくすぶる。

 集団的自衛権の行使容認や憲法9条改正に対して、山口那津男代表ら公明党幹部は「連立のあり方も含めて議論する問題だ」と自民をけん制。長年の連立によって選挙協力などで密接な関係を築いた自公両党だが、NSC運営が本格化した後の安全保障問題は、大きな溝となりかねない懸念もはらんでいる。【高本耕太、阿部亮介】

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