球団が複数年契約の提示を検討している能見。来オフのFA流出を阻止するためだ【拡大】
負のスパイラルも、虎を心配性にする。昨オフには平野が国内FA権を行使し、オリックスに移籍。今オフも久保が宣言し、チームを去る可能性がある(去就未定)。次々と主力が手を挙げる現状に歯止めをかけるためにも、球団は、能見の「宣言せず残留」を渇望しているのだ。
12月に控える契約更改の席上に並ぶ2つの選択肢。単年か、複数年か-。手が伸びるカードに注目が集まる能見は24日、西宮市内の甲子園クラブハウスに自主トレで訪れ、「(200イニングは)結果的にそうなればいい。1試合で7回以上投げられるようにしたい」と早くも来季に向け意気込んでいた。頼もしい生え抜き左腕の流出を、何が何でも回避するために手を打つ。
★昨年の平野FA移籍VTR
阪神から2000万円減の年俸1億7000万円の単年契約を提示された平野は3度の交渉の末に11月10日、FA権の行使を決断。FA宣言後、獲得に乗り出す他球団がなく、阪神との交渉でも合意には至らなかった。そこで古巣・オリックスが11月下旬以降から複数回にわたり交渉し、12月25日に年俸1億5000万円プラス出来高払いの2年契約で平野の獲得を発表した。
能見 篤史(のうみ・あつし)
投手。1979(昭和54)年5月28日、兵庫県生まれの34歳。鳥取城北高から大阪ガスを経て、2005年D自由枠で阪神に入団。同年4月3日のヤクルト戦(大阪D)でプロ初登板。12年には最多奪三振のタイトルを獲得。今季は25試合に登板し、11勝7敗、防御率2・69。通算成績は211試合に登板、64勝44敗、防御率3・04。1メートル80、73キロ。左投げ左打ち。今季年俸1億2000万円。背番号「14」
(紙面から)