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〔秘密保護法案〕強行採決「なぜ急ぐ」 県民に広がる不信感

(2013/11/27 07:38)
特定秘密保護法案の廃案を訴える市民団体のメンバー=26日午後5時半ごろ、静岡市葵区

 情報統制への懸念や国民の「知る権利」の侵害など多くの問題が指摘される特定秘密保護法案が衆院を通過した26日、県民からは「秘密の範囲が曖昧」「なぜ急ぐのか」など、成立を急ぐ政府・与党の姿勢や拙速な国会審議に強い批判の声が上がった。情報管理の強化自体を必要と捉える人の中にも不信感をあらわにする意見も目立つ。静岡市中心部では市民団体などが廃案を求めて街頭活動を繰り広げた。
 県民の疑問は法案成立を急ぐ政府の姿勢に集中した。静岡市葵区の会社員の男性(57)は「国民が(法案の)内容をまだ理解できていないのに、随分急な印象」と漏らす。掛川市の呉服店経営の女性(53)は「成立を急ぐ理由が国民に見えにくく、法の必要性も判断しにくい」と首をかしげた。
 静岡市葵区の主婦(35)は情報管理の必要性自体には理解を示しながらも、衆院特別委で採決が強行されたことに「国民の知らないところで重要事項が決まっている」と非難した。
 法案自体を問題視する声も根強い。静岡市清水区の飲食店従業員(29)は「どんな情報が特定秘密になるか分からない。客との会話も言葉を選ばないといけなくなる」と不安視する。戦争体験世代でもある同市葵区の人権擁護委員の女性(72)は「秘密の範囲が曖昧。国民の『知る権利』や平和が本当に守られるのか」と案じた。
 政治への不信感も目立った。「国民に知らされない情報が増えると、若者の政治への関心はさらに薄れるのでは」。そう危惧するのは沼津市の会社員の女性(23)。浜松市中区の会社経営の女性(44)は、政治家や官僚に「恣意(しい)的に運用しないで」と注文を付けた。
 法案に理解を示す意見もあった。長泉町の製造業の男性(42)は「国民の生活や安全を第一に考えた運用ならば」と“条件付き”で賛成する。伊東市の無職の男性(66)は「日本は安全保障に関する意識が低い。海外と対等に付き合うには法律は必要」と語った。

 

 

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