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「悪法、拙速、暴挙」秘密保護法案衆院通過 市民団体など非難

特定秘密保護法の危険性を訴えるネットワーク宮城のメンバー=26日午後5時50分ごろ、仙台市青葉区一番町3丁目

 懸念を置き去りにしたままでいいのか。国民の「知る権利」を脅かす恐れのある特定秘密保護法案が26日、衆院を通過した。審議入りから3週間足らずで、前日には福島市での公聴会で地元首長らが強い疑念を訴えたばかり。市民から反対の声も上がり続ける中、衆院の委員会では採決の強行も。「被災地の声を聞いたふりだ」「あまりに拙速で強引」。力に頼る与党と、すり寄る野党への不満も噴き出した。
 東北の法曹関係者や市民団体は「民意を無視した国会の暴挙だ」と怒りをあらわにした。
 法案概要に対して実施した政府のパブリックコメント(意見公募)では反対論が多数を占めた。仙台弁護士会の内田正之会長は「世論を無視しながら強行採決したことに強く抗議する。国会自らが審議を事実上放棄した。極めて遺憾だ」と批判。「参院は今国会中に絶対に採決しないよう求める」と述べた。
 仙台市民オンブズマンは情報公開請求などを通じ、行政が情報を隠すところに不正があることを暴いてきた。
 野呂圭代表は「情報公開と内部告発という不正追及の手段を阻む制度が非民主的な手続きで秘密裏につくられ、強行採決された。強い憤りを覚える」と語気を強めた。
 仙台高裁で争われている自衛隊監視訴訟の原告団の後藤東陽団長は戦前の治安維持法を引き合いに出し「悪法はつくられたら最後、どんどん拡大解釈される」と懸念。「戦後最大の悪法となる。成立を食い止めなければいけない」と訴えた。
 宮城県内の弁護士や市民らでつくる「STOP!秘密保護法ネットワーク宮城」は26日夕、仙台市中心部で緊急の街頭活動を展開した。
 メンバーの一人は「(法案に関する)福島市での地方公聴会の意見陳述者全7人が反対を示したにもかかわらず、強行採決したのは国会の暴挙だ」と非難。反対を呼び掛けるチラシとリーフレット計約1000枚を通行人に手渡した。
 地方公聴会で慎重な審議を求めた福島県浪江町の馬場有町長は「あまりに拙速だ」と厳しい表情で語り、「秘密よりもやるべきことがあるはず。被災地を支援することが最優先の課題だ」と訴えた。


2013年11月27日水曜日

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