特定秘密保護法案:「悪法、考え直す必要」 知事が反対姿勢 /静岡
毎日新聞 2013年11月26日 地方版
川勝平太知事は25日の定例記者会見で、国会で審議中の特定秘密保護法案について「悪法だ。情報の所有者は誰なのかしっかりと考え直す必要がある」と述べ、反対の姿勢を明らかにした。
川勝知事は、今年6月に70カ国以上の専門家によってまとめられた「国家安全保障と情報への権利に関する国際原則」(ツワネ原則)がメディア関係者ら非公務員を処罰の対象外としているのに対し、法案では記者や市民も対象とされているなどと指摘。「情報の所有者は国民だ」とした上で、「基本的な思想がツワネ原則に基づいているなら国際的な理解を得られるが、(すでに保護規定がある)米英独などと比べても情報が誰の物か哲学がはっきりしていない。少なくとも整合性は取るべきだ」と批判した。
また、安倍政権が性急に政策を進めているとの印象を語り、デフレ脱却や国土強靱(きょうじん)化などには理解を示しつつも、集団的自衛権の行使容認を検討していることなどを挙げ「全体として日本が戦争に備えるような方向性に行く」と、強い懸念を示した。【樋口淳也】