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【政治】

国土強靱化、法案名39文字 ばらまき隠しで長文化

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 自民党は国土強靱(きょうじん)化を進めるための法案を今国会で成立させる方針だ。大規模災害に備えた防災体制の強化が目的だが「公共事業のばらまきにつながる」との指摘が付きまとい、批判をかわそうと法案名の変更を重ねた。ただ、看板を変えても中身はほとんど同じで、ばらまきの懸念はぬぐえない。

 二十二日の衆院災害対策特別委員会に提出された法案は「強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靱化基本法案」。自民、公明の与党と生活の党が出し、この日の特別委で三党の賛成多数で可決された。

 法案のもともとの名前は、自民党が野党時代の昨年六月に出した「国土強靱化基本法案」。政権復帰後の今年五月、公明党と共同で出し直した際に、公共事業乱発という印象を薄めたい公明党に配慮し「防災・減災等に資する」との表現が加わった。

 これに対し、民主党は「国民生活強靱化のための」とした対案を提出。防災名目で公共事業費が増えすぎないよう財政規律を維持する規定を盛り込んだ。

 すると、与党は民主党の追及をかわそうと、民主党の法案から「国民生活」の文字を取り込み、再修正。最初は九文字だった法案名は最終的には三十九文字にまで膨らんだ。

 民主党は法案に引き続き反発。二十二日の特別委では、三日月大造氏が「法案の本質はハードの整備」と、名前が変わっても公共事業偏重は改まっていないと指摘。「優先順位をつけないまま事業を実施すれば、いずれ財政は破綻する」と訴えた。 (関口克己)

 

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