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太宰なら『女生徒』 有名作家9人、1冊目に読む本
社会人のための入門書ガイド

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2013/11/23 6:30
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●谷崎潤一郎

 SM、同性愛、のぞき見といった、下世話になりかねない題材を、関西の方言を多用した優雅な文体で描く。主な作品にエリート会社員が貞操観念ゼロの妻に振り回される『痴人の愛』、美しく誇り高い盲目のお嬢様に仕える男の被虐的な愛を描く『春琴抄』などがある。

入門書●『猫と庄造と二人のおんな』 新潮文庫/420円
あらすじ:一人の男を挟んで元妻と現在の妻が駆け引きするが、当の男は愛猫リリーに夢中なのが面白い。谷崎自身も猫好きだったそう。他の作品に登場する魅力的な悪女の原型は、実は猫なのかもしれない。
必読書●『細雪』 中公文庫/1150円
あらすじ:大阪船場の旧家に生まれた美しい四姉妹の物語。三女・雪子のなかなかまとまらない縁談を中心に展開していく。花見をはじめとした四季折々の行事、着物の描写など、細部をじっくり楽しみたい。

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●太宰治

 36年、処女短編集『晩年』を刊行。女学生からキリストを裏切ったユダまで、様々な人間の肉声を写し取る。主人公が感じている「生きづらさ」は普遍的。作品に『走れメロス』『お伽草紙』『ヴィヨンの妻』など。自殺する直前に完成させたのが『人間失格』。

入門書●「女生徒」『走れメロス』に収録 新潮文庫/420円
あらすじ:眼鏡を掛けた自分の顔が気に食わなかったり、新しいおしゃれな下着を身に着けて得意になったり、「どれが本当の自分だか分からない」と思ったり。今読んでもリアルなガールズトークが楽しい短編。
必読書●『斜陽』 新潮文庫/357円
あらすじ:没落貴族の華麗なる滅亡を描き、“斜陽族”という流行語を生んだ作品。弟の麻薬中毒がもとで離婚したかず子は、戦後、母と一緒に東京から伊豆へ引っ越す。最後の貴婦人である母がかわいらしく美しい。

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●三島由紀夫

 16歳で『花ざかりの森』を書き、24歳のときに発表した性的自叙伝『仮面の告白』で作家として認められ、45歳で割腹自殺した。古典に造詣が深く、情景描写が巧み。たくましい肉体に対するこだわりにも圧倒される。ライフワークは『豊饒の海』全4巻。

入門書●『午後の曳航』 新潮文庫/452円
あらすじ:憧れの船乗りと母の情事をのぞき見ていた登は、二人の結婚を機にある決意をする。大人に対する嫌悪と少年たちの残酷な遊戯が結びついたとき、何が起こるのか。ミステリーのようにも読める一冊。
必読書●『金閣寺』 新潮文庫/620円
あらすじ:貧しい寺に生まれた青年僧侶が金閣に放火するまでを描く。海外でも人気が高い名作。美についての観念的な記述が多いため、初心者はとっつきにくいが、闇夜に浮かび上がる金閣の描写は圧巻。

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夏目漱石、川端康成、綿矢りさ、山崎豊子、田辺聖子、谷崎潤一郎、三島由紀夫

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