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太宰なら『女生徒』 有名作家9人、1冊目に読む本
社会人のための入門書ガイド

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2013/11/23 6:30
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●大江健三郎

 大学在学中に『飼育』で芥川賞を受賞。94年ノーベル文学賞受賞。最先端の文学の方法論を積極的に取り入れた作品は、やや難解ではある。自身の体験を基にした、障がいを持つ息子との共生が繰り返し描かれる。『個人的な体験』『新しい人よ眼ざめよ』など。

入門書●『死者の奢り・飼育』 新潮文庫/546円
あらすじ:芥川賞受賞作『飼育』を収録したこのデビュー短編集は、死体処理室、脊椎カリエスの療養所、黒人兵を飼育する村など、文章の読みにくさを忘れてのめり込んでしまうほど、舞台設定の吸引力が強い。
必読書●『万延元年のフットボール』 講談社文芸文庫/1575円
あらすじ:素裸で肛門にきゅうりを差し込み(!)死んだ友人に導かれた「僕」が、穴の中にうずくまる冒頭が強烈。故郷の四国の神話的な森を舞台に万延元年(1860年)と安保闘争の時代(1960年)をつなぐ長編。

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●塩野七生

 63年から68年までイタリアに遊学したのをきっかけに、執筆活動を始める。史実を積み重ね、国家の栄枯盛衰や、当時を生きていた人々の姿をまるで目撃していたかのように描く。『ローマ人の物語』が完結し、2010年より『十字軍物語』を刊行開始した。

入門書●『チェーザレ・ボルジア あるいは優雅なる冷酷』 新潮文庫/578円
あらすじ:ルネサンス期、イタリア統一の野望を抱いた若者の数奇な生涯。妹を政争の道具に邪魔者は容赦なく排除。目的のためなら手段を選ばないチェーザレは怖いけれどかっこいい。
必読書●『ローマ人の物語』 新潮文庫/全43巻〈第1巻〉452円
あらすじ:世界で初めて、たった一人でローマの通史を書き上げるという偉業を成し遂げた作品。悪名高き皇帝の下でも「ローマによる平和」が維持されていた理由など、教科書では分からない発見に満ちている。

この人に聞きました

石井千湖さん
 All About「書籍・雑誌」ガイド。73年生まれ。ライター、書評家。『日経WOMAN』『MORE』『DRESS』『テレビタロウ』などで活躍。

(ライター 石井千湖)

[日経WOMAN別冊「働き女子の必読本300冊」の記事を基に再構成]

[参考] 「働き女子の必読本300冊」では「心を揺さぶられた本 人生を変えた本」「もっと自分らしく働き続けるためのスキルアップ本&ビジネス書」「心が元気になる『お悩み解決』本」などを掲載している。

人生も仕事も豊かになる! 働き女子の必読本300冊 (日経ホームマガジン)

著者:
出版:日経BP社
価格:870円(税込み)

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夏目漱石、川端康成、綿矢りさ、山崎豊子、田辺聖子、谷崎潤一郎、三島由紀夫

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