本の選び方、間違っていませんか? 「有名作家だけど、読んだら面白くなかった……」。そんな人は、読むべき「一冊目」が分かっていないのかも。日本を代表する有名作家9人の「入門書」と、社会人として読んでおきたい「必読本」を一挙に紹介します。
短編集や娯楽作品などハードルの低いものから「有名作家の作品を、何から読み始めたらよいのか分からない」……。そんな悩みに、All About「書籍・雑誌」ガイドで書評家の石井千湖さんは、「一冊目は気軽に読めそうなものを手に取ること」とアドバイスする。「代表作は難解な場合もあるので、まずは短編集や娯楽性が高いものから試し、面白かったら代表作に進んでみるのがおすすめです」
石井さんも、中学生の頃に夏目漱石の『こころ』を読んで、どうしても登場人物の心の動きが分からず、それからしばらく漱石の本を手に取らなくなった経験がある。「もし初めて読んだ漱石作品がドラマチックな『それから』や幻想的な『夢十夜』だったら、もっと早く好きになっていたでしょう」
けれど、20歳を過ぎてから再度『こころ』読んでみたところ、以前抱いた「なんだか辛気くさい」というイメージが一変したそう。「一度読んでダメでも、何年かすると突然読めるようになっていることもあります。自分の内面の成長が、本に追いつくんです。時代を経て残っている作品には、それだけの魅力があります。気長に付き合ってみて」
■これは読んでおきたい、著名作家の入門書・必読書18冊
夏目漱石から塩野七生まで、1900年から2013年までの間に活躍し、日本を代表する作家9人の入門書、必読書18冊を書評家が厳選。
名前は知っているけれど著書は一度も読んだことがない…なら、この機会に手に取ってみよう。
入門書:これさえ読めば、作家のエッセンスや作風が理解できる作品。短編集など、比較的読みやすい本をセレクト。
必読本:その作家の代表作。読んでいないと恥ずかしい、押さえておきたい一冊。読んでおけば、ビジネストークも弾むはず。
●夏目漱石
1905年『ホトトギス』に掲載された『吾輩は猫である』でデビュー。『坊っちゃん』『草枕』『三四郎』など、数々の名作を残した。漢文や俳句、落語、英文学など、豊かな教養を背景に、価値観が激変した時代を生きる人々の葛藤を、ユーモアを交えつつ描く。
入門書●『それから』 新潮文庫/483円
あらすじ:父からの援助でのほほんと暮らしていた30歳のニート青年・代助が、昔好きだったが今は親友の妻である女性と再会し、すべてを捨てて彼女と生きる道を選択する。衝撃の結末まで一気読みしてしまう恋愛小説。
必読書●『吾輩は猫である』 新潮文庫/662円
あらすじ:名もなき猫の視点で、人間が巻き起こす騒動を軽妙洒脱な文体で描く。デビュー作にして代表作だけれど、物語より書き方に趣向が凝らされた小説。読書経験を積み重ねてからのほうが楽しめる。
夏目漱石、川端康成、綿矢りさ、山崎豊子、田辺聖子、谷崎潤一郎、三島由紀夫
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