鴎友カフェ2012 特集「鴎友の部活」 Episode.1 自分らしくいられる場所 理科班OG 2012年卒 横山陽子さん

小学生の頃からいつでも、虫めがねをポケットに入れて

家が比較的自然に恵まれた環境にあることもあって、小さい頃から虫や生き物を見るのが好きでした。幼稚園には小川が流れていたので、サワガニを飽きずに見ていました。小学生のとき、虫めがねを母からプレゼントしてもらいましたが、それ以来いつでもポケットに入れて持ち歩いています。 生き物のなかでも鳥類に興味を持ったのは、小学5年生に入ってからです。自宅近くの川にいるカワセミの鮮やかな美しさに魅せられたのがきっかけです。鳥の観察をはじめて、2年くらいで名前と姿が一致するようになりました。そうですね、100数十種類は、何の鳥か今ではわかります。

鴎友の同級生たちは、いつも鳥のことしか話さない私をそのまま認めてくれていました。「こんな鳥を見たけれど、何という鳥?」と、何人もの同級生が話しかけてくれました。みんながお互いに個性を認め合える校風は、鴎友のよいところだと思います。

ジャパン・バード・フェスティバルで「都市鳥」について発表をする

入学したときから理科が好きだったので、迷わず理科班(理科部)に入りました。自分でやりたいことを決めて取り組むという方針なので、鳥をテーマにしようと思い、毎日の観察をはじめました。部室として使われている化学の教室の窓から、双眼鏡や望遠レンズ付カメラで鳥たちの姿を観察するのです。鴎友には畑があり、樹木も豊かなので鳥が多く集まります。

中3のとき、理科班の顧問の先生が、鳥類観察の団体・サークルが一堂に集まるジャパン・バード・フェスティバル環境学会で研究発表をしてはと勧めてくださいました。1回目は、「学校にどんな鳥が来ているか」を中心に、図書館でたまたま知った「都市鳥」という分類について折り込み、どきどきしながら発表しましたが、2回目は記録をもとにさらに深めてまとめました。

そして、高2になって「都市鳥の一部は、山間部でなわばり争いに敗れ、都市部に流れてきた個体なのではないか」という仮説を発表したのです。会場で初対面の方々から「面白い発表だった」と声をかけられたときは、とてもうれしかったです。その年は理科班の班長(部長)になり、勉強もあり大変だったのですが、やりきってとてもよかったと思いました。

鴎友は、生徒の意志や希望を温かく応援してくれる

理科班の活動に没頭できて、いろいろな体験や成果を味わえたのは、先生の温かい応援のおかげと思っています。バードフェスの他にも、都内の学校の生物部が集まる「生物クラブ連盟」でも発表の場を与えていただき、目標が明確になりました。一緒に鳥の観察を楽しみ、時々情報をくれる先輩や後輩がいてくれたことで、大変充実した班活動を送ることができました。

班長になってからは、自分の発表資料は夏休みのうちに仕上げておき、あとは後輩の面倒を見るようにしました。そんなことも、よい体験だったと思います。

大学は生物の道に進むと決めていました。将来の夢は博物館の学芸員になること。鳥類研究の最高峰といわれる研究所にもあこがれています。大学生活はまだはじまったばかりですが、やりたいことがたくさんあり、とても楽しみです。
鴎友学園は、生徒自身の意志や希望を頭から否定せずに、温かく応援してくれます。自然にも人にも恵まれた環境なので、これから受験する人たちにおすすめです。

横山さんのミニ年表

※プロフィールは2012年6月現在のものです。