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【放送芸能】

テレビアニメ45周年 フジ、来週特番続々

 フジテレビの人気アニメ「サザエさん」が放送開始から45周年を迎える。今年9月には「最も長く放送されているテレビアニメ番組」としてギネス世界記録にも認定された。同局は11月25日からの1週間を「サザエさんウィーク」と位置付け、特別番組を放送する。 (前田朋子)

 アニメは、長谷川町子さんの四コマ漫画を原作に、一九六九年十月五日にスタート。これまでに二千二百六十一回放送され、平均視聴率は22・9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と安定した人気を誇っている。

 当初からカラー放送で、日曜午後六時半開始、一回三話のスタイル。サザエ役の加藤みどり、タラちゃん役の貴家堂子(さすがたかこ)、波平役の永井一郎、フネ役の麻生美代子の声優四人は今も出演中だ。日本のアニメで唯一続けられていたセル画による制作は終了し、今年十月の放送分から彩色などがデジタル化されたが、一話(七分)当たり千五百枚の元絵(動画)はすべて手描きのまま変わらない。

 原作の新聞連載は七四年に終わり、既に約四十年たつ。サザエさんの著作権を管理している長谷川町子美術館(東京都世田谷区)の橋本野乃子学芸員は、これほど長く愛される理由について「家族がそろう日曜夕方、テレビを見ながら、『こういうこと、あるよね』と皆が思いを共有し、ほっとできるからでは」と分析する。

 テレビ放送で、原作を読めない小さな子どもたちにも人気が出て、国民的アニメになった「サザエさん」。テレビを見た世代が原作に触れ、美術館を訪れ…と、相乗効果は今も続いている。

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 フジテレビは今月から来月にかけ、四十五周年記念番組を集中して放送。二十六日はアニメ「サザエさんの秘密徹底解明スペシャル」。これまで放送した約七千話を調査し、磯野家の家電や服装の変化などを探る。二十九日はドラマ「長谷川町子物語〜サザエさんが生まれた日〜」で、尾野真千子が長谷川さんの生涯を演じる。出演はほかに長谷川京子、松坂慶子、市川海老蔵ら。十二月一日は「サザエさん アニメ&ドラマで2時間半SP」で、観月ありさがドラマ版サザエさんに四度目の挑戦。ドラマ三本とアニメ三本の構成で、新たな試みとして一話の前半をアニメ、後半をドラマで描く。

◆「マンネリ化」させたい 制作のエイケン社長

 放送開始からアニメ制作を担当してきたエイケン(東京都荒川区)の毛内節夫社長に話を聞いた。

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 当時、1社提供のスポンサーだった東芝さんから話があり、スタートしました。前番組は、うちが手掛けた「忍風カムイ外伝」(原作・白土三平)。面白かったが、殺伐とした話なので、ファミリー路線に、と。当初は「トムとジェリー」を意識してドタバタしていたので、「うるさい」と酷評されたんですよ。

 3話構成になったのは、長谷川先生の「4コマなのでキレを出して」という希望から。1話約7分ですが、30分番組を7分に凝縮したような中身の濃いものを、と言っています。

 脚本は20〜70代の10人ほどが、月に必要な12〜13本を担当します。うち10本は番組開始から担当されている雪室俊一さん、城山昇さんのお2人が書かれます。作画も含めて、若い人への引き継ぎが課題です。もう「ちゃぶ台」を知らない世代ですから、まずいろいろ経験してもらいたいですね。

 45周年ですが、むしろマンネリ化させたいんです。制作者はどうしても新しいことを混ぜたくなるけれど、もっと地に足の着いた作品にしなくては。世界に誇れる原作をいかに学ぶか。まだまだ何パーセントもやり切れていないと思います。

 

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