アブナイのは正当な狂気か!?『小森生活向上クラブ』
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[徳光正行オススメポイント!]
悪人は即死刑! 人類最大のタブーを超えた心理的恐怖
人を殺す禁忌に対して快感を覚えるという、モラルの崩壊がテーマとなっている本作ですが、まず、主人公の小森課長を演じている古田新太さんが圧倒的な存在感を出していますね。本当にどんな役でもできるんだな、と感心しました。ただ、古田さんはガタイがいいので、銃を使わなくても素手で撲殺できそうな迫力がある。多分、そこいらの不良少年よりも、絶対にケンカは強いでしょう(笑)。
1971年、神奈川県生まれ。タレント。徳光和夫の次男。『ザ・ゴールデンアワー』(東京MXテレビ)、『スペチャ!』(スペースシャワーTB)などで活躍中! もちろんサイゾー本誌連載『愛のズルむけい地』に登場いただいているアノ人です!
また、全編を通して、役者さんたちのプライドを強く感じました。重たいテーマということで、演じ手としては単なるファミリーエンタテインメント作品にはしないという気概があったんでしょう。ただ、個人的にブラックコメディは、はるか彼方まで突き抜けていたほうが好みなんですよ。見ているこちらが失笑してしまうような、良い意味での"くだらなさ"を見たかったような気もしますね。
多分、殺されたOLや不良少年のような人たちに対しては、誰もが「死んだほうがいい」と思ったことはあるはず。そのため、殺しの場面では、確かに爽快感を感じます。ただ、殺さなくてもいいのでは、という人も殺されている。そこがこの作品の危険なところでしょうね。
(取材・文=丸山大次郎/「サイゾー」9月号より)
[宣伝担当オススメポイント!]
嫌悪感の中にもユーモラスを注入する古田新太の好演と怪演が光る!
本作では、犯罪を起こしそうな、あるいはすでに犯している人間を銃殺しまくるといった殺人シーンが多いため、「PG-12指定」を受けてしまいました。作品自体はフィクションですが、他人の非常識な行為に腹を立てたことがある人なら共感できる作品に仕上がっています。そのせいか、ノンフィクションに見えてしまう。作品テーマがかなりダークで、古田新太さんの個性的なコメディ演技がなければ、救われない内容になったかもしれません。また、撮影ではかなり長いシーンでも、舞台のように"一発撮り"で行われました。ぼったくりバーでの5分間にわたる殺人シーンもノーカット。"一発撮り"の緊張感と笑顔で銃を撃つ小森課長の怪演により、非常に迫力のあるものになりました。
ほかには、小森の妻を演じた有森也実さんも、強烈な存在感をアピールしてくれました。大胆な濡れ場を見せたり、「フルボッキ」というセリフを口走ったり、たぐいまれな女優魂で熱演しています。そのためか、監督の意向でタイトルが『フルボッキ課長』になりそうだったそうなんですよ。さすがにスタッフが止めたらしいんですが(苦笑)。
平凡なサラリーマン課長の小森(古田新太)は、パッとしない毎日を送っていた。ある日、駅で痴漢のえん罪をなすりつけては喜んでいる女に出会い、日頃のイライラが大爆発! その"えん罪女"の背中を衝動的に押してしまい、走ってきた電車に轢かせて殺してしまう。最初は慌てふためく小森だったが、その後に不思議な爽快感と活力を覚えて自分なりの正義に目覚め、社会のダニ退治を名目に次々と殺人を重ねるうち、熱狂的な賛同者から「教祖」に祭り上げられていく......。古田新太の演技が光る、ブラックユーモアの傑作。
販売元/ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント
監督/片嶋一貴
出演/古田新太、栗山千明、忍成修吾、有森也実ほか
時間/108分(本編)
価格/4935円(税込)
発売/8月21日
© 2008 「小森生活向上クラブ」製作委員会
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