【注目記事】週刊金曜日5月15日号「不景気に積極買収する〝救世主〟の正体とは 〝秋葉原の風雲児〟佐々木ベジ氏のミニバブル」
フリージアマクロスの「佐々木ベジ」。兜町のオールドファンならご記憶かもしれないが、1980年代に一世を風靡した有名仕手筋の一人だ。しかし、ベジ氏自身が97年に破産宣告され、同社代表の座を降りたことなどから、最近はその動静もほとんど伝わることなく、忘れられた存在だった。
その懐かしい名前が、先週発売の「週刊金曜日」5月15日号(=左写真)で取り上げられている。同記事によれば、東証2部のフリージア社はここ数年、不動産関連企業を中心にM&Aを展開。しぶとく生き残っていたというのだから意外だ。昨年だけでも、マツヤハウジング、ハウジングメッツ、セボンなど、破綻した不動産会社のスポンサーに次々と名乗りを上げているという。これだけ不景気な中にあって、逆に積極買収に転じる佐々木ベジ氏の存在がにわかに注目を浴びつつあるというわけだ。
ベジ氏は現在、フリージア社の会長で、実弟の奥山一寸法師氏を社長に据えて周りを固めている。「ベジ」という変わった名前は、父親が熱心なベジタリアンであったためとされる。そうしたこともあってか、ベジ氏が信奉する自然食の料理を朝と昼、社員用食堂で作らせていたという。すべての実務面を仕切っているのもベジ氏本人で、グループ全体で100人近くいる社員の日報も必ず目を通して認可する徹底ぶりだ。
同社の筆頭株主は、70%弱を保有する「フリージアハウス」。このフリージアハウスをベジ氏のファミリー企業が支配するという関係にある。では、ベジ氏の積極的な企業買収の「後ろ盾」は誰なのか。同記事は次のように注目する。
<フリージア社の第三位の大株主に、徳州会理事長の徳田虎雄氏の妻、徳田秀子氏の名があり、第六位の大株主に(株)ヴァーチュアス・エステイツという会社があるが、これは、徳田一族で出資した医療機器の販売・リース、不動産賃貸を目的とした徳州会グループ企業で、フリージア社の連結子会社の「ビコイ」には出資も行ない、大株主となっている。また、二〇〇四年度時点では、先述の誕生会にも出席していた徳州会顧問のS氏も大株主に名を連ねている。S氏はヴァーチュアス社のかつての代表取締役で、「ビコイ」の取締役も務めており、徳州会とフリージア社とは、出資、人事の面で深い関係にあるのだ。>
週刊金曜日の取材に対して、ベジ氏は「俺、悪いことしてないよ」と多くを語らなかったようだが、その資金の出所はたしかに気になる点である。詳細は週刊金曜日の記事をご覧いただきたい。
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