アジア・太平洋株式サマリー:香港、中国株下落-インド株上昇
11月25日(ブルームバーグ):アジア・オセアニア各株式市場の動きは以下の通り。
【香港株式市況】
香港株式相場は下落。先週ここ2年で最大の週間上昇率だったハンセン中国企業株(H株 )指数が反落した。パイプラインの爆発事故が発生した中国石油化工 (SINOPEC)中心に、エネルギー株の下げが目立った。
中国石油化工(386 HK)は2.6%安。事故が発生した生産施設の操業に支障が出るとの見通しを示した。中国2位の産金会社、招金鉱業(1818 HK)は2.2%安。イラン核協議合意を受け、逃避先としての金の需要が減ったことが響いた。
アジア最大のインターネット企業テンセント ・ホールディングス(騰訊、700 HK)は3.2%高。国金証券にオンライン資産管理サービスを提供する契約を結んだことが材料視された。
ハンセン指数 は前週末比11.83ポイント(0.1%)安の23684.45で取引を終了。一時は0.6%高まで買われた。H株指数は0.5%安の11387.21。中国が1990年代以降で最も大掛かりな政策転換の概要を示したことからH株指数は先週、週間としては2011年12月以来の大幅な上げとなっていた。
キムエン証券(香港)のセールストレーディング担当ディレクター、アンドルー・サリバン氏は「相場を上向かせる新たな材料は全く見当たらない」と指摘。「中国での改革実行には少し時間がかかる。手っ取り早い対策などはない」と述べた。
【中国株式市況】
中国株式 相場は3営業日続落。中国石油化工(SINOPEC)のパイプライン爆発で55人の死者が出たほか、原油相場下落からエネルギー株を中心に売られた。
中国石油化工 (600028 CH)は4%安と、5カ月ぶりの大幅下落。北海ブレント原油安に伴い、ペトロチャイナ(中国石油、601857 CH)が1.5%安、中国神華能源(601088 CH)は1.3%安。
一方、中国政府が東シナ海に防空識別圏を設定したのを受け、レーダー製造会社の安徽四創電子(600990 CH)と赤外線カメラなどを手掛ける武漢高徳紅外(002414 CH)は、いずれも10%高。港湾荷役会社の寧波港 (601018 CH)も、上海に続き他の地域にも自由貿易区が創設されるとの観測から10%高。
上海証券取引所の人民元建てA株と外貨建てB株の双方に連動している上海総合指数 は前週末比10.26ポイント(0.5%)安の2186.12。上海、深圳両証取のA株に連動するCSI300指数は同0.4%安の2388.63。
上海総合指数に占めるウエートが第5位の中国石油化工は、爆発事故が発生した青島の「超大型」生産施設で操業に支障が出るとの見方を明らかにした。防空識別圏の新規設定をめぐって中国と日米は議論の応酬を行い、日中間の緊張が高まっている。
浙商証券の王偉俊ストラテジスト(上海在勤)は「中国石油化工は大型株であるため、下落すれば指数に響く」と指摘。また、「軍事関連銘柄の値動きは、日中間に緊張があれば大きくなる」と述べた。
【インド株式市況】
インド株式 相場は上昇。イラン核協議合意を受けた原油相場の下落で、インフレが鈍化するとの見方が広がった。
国営の石油精製会社、ヒンドゥスタン石油は約2カ月ぶり大幅高となるなど、製油銘柄が総じて高い。インド石油ガス公社(ONGC )は3週間ぶり高値を付けた。アクシス銀行 は5営業日ぶりに上昇。ICICI銀行 の上げも際立った。
指標のS&Pセンセックス指数 はムンバイ市場で前週末比387.69ポイント(1.9%)高の20605.08で終了。この日の北海ブレント原油相場は2%安と、ここ3週間で最大の値下がりとなっている。
【オーストラリア株式市況】
S&P/ASX200指数は前週末比16.92ポイント(0.3%)高の5352.83。
【韓国株式市況】
韓国総合株価指数は前週末比9.75ポイント(0.5%)高の2015.98。
【台湾株式市況】
加権指数は前週末比70.73ポイント(0.9%)高の8187.51。
更新日時: 2013/11/25 20:47 JST