6月29日、中国版ツイッターこと「新浪微博(シナ・ウエイボ)」が日本進出を発表した。ウエイボは、大手ポータルサイト「新浪」が運営するミニブログサービス。中国では情報統制によりツイッターにアクセスできないため、中国版ツイッターとして1億4000万ユーザーが登録している。
06年4月にサービスが開始されてから、あっという間に世界に広がったツイッター。その最大の魅力=「速報性」にいち早く気づいて利用してきたのは、フォロワーがふたり合わせて40万人を超えるジャーナリストの上杉隆氏と、メディアジャーナリストの津田大介氏。しかしその速報性は、これまで新聞やテレビといった既存メディアの特権でもあった。そのせいか、「既存メディアはツイッターや『ニコ生』などのソーシャルメディアとのつき合いに腰が引けている」(上杉氏)と指摘する。
「既存メディアのソーシャルメディアとのつき合い方で、すごく象徴的な話があるんです。あるテレビ局のディレクターが『ツイッターとかいろいろなソーシャルメディアの反応を見て自分の番組の改善をしている』と言うんだけど、そのプロセスが明らかになってないんです。何が言いたいかというと、ネットから“タダ取り”してるだけなんです。ネットで『なるほど!』と思う意見だけをタダ取りして、ネットに何かを返すということをしない。ユーチューブの素材は使うけれども、自分たちの番組がユーチューブに上がったら削除させるみたいなことで、ギブ&テイクをしていない」(津田氏)
「上から目線なんだよね。常に『おまえたちを使ってやってるんだ』っていう感じ。本当はメディアに上も下もなくて、しょせん単なるツールに過ぎないのに。民放はレベルが低すぎる。嘘みたいな話だけど、メディアリテラシーがないんだ」(上杉氏)
既存メディアの優位性は、東日本大震災を機にいっそう崩れつつある。テレビも映らず、電話も繋がらなかったとき、ライフラインとなったのはツイッターだった。
「新聞やテレビは社会的に大きなニュースを伝えているけれども、そこでは報じきれない細かいことをツイッターは報じているし、先んずることもある。あのときは既存のメディアが伝えられない情報を本当にツイッターが補填していました」(津田氏)
次々と情報が流されていくため、ツイッターではデマも少なくない。しかし、そもそも情報がなければそれがデマかどうかも判断できない。
「情報があれば身の安全が確保できる可能性が生まれる。そして、デマも含めた多様な情報を自分なりにどう所捨選択していくかが、ツイッターを含めたソーシャルメディアとうまくつきあっていく方法じゃないでしょうか、なう」(上杉氏)
(取材/村上隆保、撮影/村上庄吾)
■津田大介(写真右)
1973年11月5日生まれ。メディアジャーナリスト。実況ツイート「Tsudaる」の語源。ツイッターのアカウントは【@tsuda】。
■上杉 隆(写真左)
1968年5月3日生まれ。ジャーナリスト。自由報道協会暫定代表。ツイッターのアカウントは【@uesugitakashi】。