内容紹介
最初に何かをやり始めた者は、この国ではいつも決まって叩かれる――。
集団に迎合しない人間は、奇異な目で見られ、足を引っ張られ、ついには、“排除"させられるのがオチだ。
「悪しき前例主義」という言葉は、何も霞ヶ関の官僚だけを指している皮肉ではない。この国に広く覆っている見えない桎梏は、
多くの才能ある者のやる気を奪い、モノ言えば唇寒しの、荒涼とした言論空間を作り上げてしまった。
だが、そんな旧態依然とした枠組みなどもろもともせず、新しい何かを生み出そうと最前線で格闘している者もいる。
現状を打破するためなら、時として「偽悪」的に振る舞うこともいとわない彼らは、周囲からいかに異端視されようとも、
むしろそれを、せせら笑うかのように前に突き進む。あたかも、物語を引っかき回す悪戯好きの狂言回し、「トリックスター」のように……。
「記者クラブ問題」や「官房機密費問題」、さらには「検察リーク問題」など、これまで数多くの“タブー"に、
果敢に斬り込んできた上杉隆氏による初の人物評伝集。
乙武洋匡氏、坂口恭平氏、川上量生氏、竹田恒泰氏、冨永愛氏、加藤嘉一氏、猪子寿之氏、ミサオ・レッドウルフ氏、朝比奈一郎氏、津田大介氏ほか、
彼ら「現代のトリックスター」たちへの度重なるインタビューをもとに、「ジャーナリスト(復帰中)」の著者が閉塞された日本社会の深部を炙り出す。
◎目次:
まえがき
File.01 川上量生(株式会社ドワンゴ代表取締役会長、スタジオジブリ“プロデューサー見習い")
File.02 坂口恭平(「新政府総理大臣」、建築家)
File.03 冨永愛(モデル、WFP国連世界食糧計画・オフィシャルサポーター、国際協力NGOジョイセフ・アンバサダー)
File.04 加藤嘉一(国際コラムニスト、世界経済フォーラムGSCメンバー)
File.05 湯浅誠(活動家、NPO法人反貧困ネットワーク事務局長)
File.06 細野豪志(民主党衆院議員、元原発担当相)
File.07 竹田恒泰(作家、憲法学者、旧皇族)
File.08 ミサオ・レッドウルフ(社会運動家、イラストレーター、反原発団体「NO NUKES MORE HEARTS」主宰)
File.09 津田大介(メディア・アクティビスト、ジャーナリスト、インターネットユーザー協会<MIAU>代表理事)
File.10 猪子寿之(ウルトラテクノロジスト集団・チームラボ代表)
File.11 朝比奈一郎(青山社中株式会社筆頭代表)
File.12 乙武洋匡(作家、東京都教育委員)
著者について
上杉 隆 Takashi Uesugi
メディアカンパニー「株式会社 NO BORDER」代表取締役/公益社団法人「自由報道協会」理事/ゴルフ作家/政治アナリスト/ジャーナリスト(一時復職中)
1968年生まれ。福岡県出身。都留文科大卒。テレビ局勤務、衆議院議員公設秘書等、「ニューヨークタイムズ」東京支局取材記者などを経てフリージャーナリストに。
2002年、第8回「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」で企画賞を受賞。現在は、政治、メディア、ゴルフなどを主なテー マとして活動中.