特別展「上海博物館 中国絵画の至宝」
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東京国立博物館 資料館 特別展「上海博物館 中国絵画の至宝」関連図書コーナー設置
開催概要 |
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会 期 | 2013年10月1日(火) ~ 2013年11月24日(日) | ||||||||
会 場 | 東京国立博物館 東洋館8室(上野公園) | ||||||||
開館時間 | 9:30~17:00(入館は閉館の30分前まで) (ただし、会期中の金曜日および、11月2日(土)、3日(日・祝)は20:00まで、11月4日(月・休)は18:00まで開館) |
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休館日 | 月曜日 (ただし10月14日(月・祝)、11月4日(月・休)は開館、10月15日(火)、11月5日(火)は休館) |
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観覧料金 | 一般600円(500円)、大学生400円(300円) 総合文化展観覧料でご覧いただけます。
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託児サービス | 会期中(2013年10月~11月)、託児サービスを実施します(事前予約制)。 詳細は「東京国立博物館 託児サービスのご案内」ページをご覧ください。 |
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交 通 | JR上野駅公園口・鶯谷駅より徒歩10分 東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅、千代田線根津駅、京成電鉄京成上野駅より徒歩15分 |
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主 催 | 東京国立博物館、上海博物館、日本経済新聞社、毎日新聞社 | ||||||||
協 力 | 全日本空輸株式会社 | ||||||||
カタログ・音声ガイド | 展覧会カタログ(1600円)、別冊 釈文・印章編(200円、カタログと同時購入の場合は100円)は、東洋館1階、および本館1階ミュージアムショップにて販売しています。音声ガイド(日本語のみ)は300円でご利用いただけます。 | ||||||||
お問合せ | 03-5777-8600 (ハローダイヤル) |
関連事業
展覧会のみどころ第1章 五代・北宋─中国山水画の完成─ 第2章 南宋─詩情と雅致─ 第3章 元─文人画の精華─ 第4章 明─浙派と呉派─ 第5章 明末清初─正統と異端─ コラム 日本美術に例えてみれば… |
第1章 五代・北宋─中国山水画の完成─今から900年ほど前の北宋時代、中国ではそれまでの貴族に代わって、科挙に合格した士大夫(したいふ、支配階級の中央官僚)たちによる新しい社会づくりが始まりました。それらの人々が自らの感情を表現するために作りだした新しい芸術が文人画です。この章では北宋文人画の代表作である「煙江畳嶂図巻(えんこうじょうしょうずかん)」を筆頭に、上海博物館でもほとんど展示されない貴重な宋代絵画をご紹介します。昨年開催の特別展「北京故宮博物院200選」でも展示された、あの「清明上河図(せいめいじょうかず)」に匹敵する細かい人物描写が魅力的な「閘口盤車図巻(こうこうばんしゃずかん)」(一級文物 五代時代・10世紀)など、4件を展示します。 |
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一級文物 煙江畳嶂図巻(えんこうじょうしょうずかん) 王詵(おうしん)筆 北宋時代・11~12世紀 上海博物館蔵 [展示期間:前期 2013年10月1日(火)~10月27日(日)] 文人画家・王詵の現存唯一の作品。数少ない北宋絵画のうちでも、それを代表する名品です。美しい淡彩を使い、水上に幻想的に浮かび上がる山水画は、「観音さまの普陀洛浄土のようだ」と評されました。 |
第2章 南宋─詩情と雅致─1127年、金に攻められた北宋が南に逃れると、杭州に都が移り、南宋が建国されます。臨時の行在所(臨安(りんあん))とも呼ばれた、この風光明媚な西湖のほとりの新しい都では、北宋までの高い写実表現を継承しながらたくさんの宮廷画家が活躍し、詩情にあふれた魅力的な絵画が生み出されました。皇帝の柩の行列を描いた「人物故事図巻」(南宋時代・12世紀)、夏珪(かけい)様式を示す「晩景図軸」(南宋時代・13世紀)など5件を紹介します。 |
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楼台夜月図頁(ろうたいやげつずけつ) 馬麟(ばりん)筆 南宋時代・12世紀 上海博物館蔵 [展示期間:前期 2013年10月1日(火)~10月27日(日)] 月光のもとに浮かび上がるロマンチックな楼閣。よくみると棚には白い花が咲いており、月光と花の香りを表現したものだとわかります。宮廷画家の家に生まれたサラブレット・馬麟の作品です。 |
西湖図巻(せいこずかん) 南宋時代・13世紀 上海博物館蔵 [展示期間:後期 2013年10月29日(火)~11月24日(日)] 美しい西湖に囲まれる南宋の都・臨安を描いた作品。手前が臨安の街並、画面の左にみえるのが雷峰塔、奥の峰々はお茶で有名な龍井(ロンジン)です。淡墨で描かれることによって、かすかな光に包まれた、夢見るような美しい都の姿が描き出されています。 |
第3章 元─文人画の精華─元時代にモンゴル帝国が中国を支配すると、それまで社会の中心であった漢人の士大夫たちは政治的に迫害され、内面の自由を追求する文人画に自らの心情を託すようになります。そのうち元末の混乱に生きた倪瓚(げいさん)と王蒙(おうもう)の代表作を展示します。美しい線が魅力の「九歌図巻(きゅうかずかん)」(一級文物 張渥筆 元時代・14世紀 過雲楼寄贈 前期展示)、驚くほど細かい「滕王閣図頁(とうおうかくずけつ)」(夏永筆 元時代・14世紀 後期展示)にもご注目ください。耳目を喜ばせる派手な色こそありませんが、その後の中国文化の支柱となり、見れば見るほど魂が虜になる元代文人画。その精華11件を展示します。 |
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第4章 明─浙派と呉派─中国を統一した明朝は北京を首都と定め、壮麗な宮殿作りを始めます。そこで宮廷画家として活躍したのが浙(派(せっぱ)でした。なかには、あの雪舟が中国で学んだ画家、李在(りざい)もいます。浙派は次第にその激しい筆法から「狂態邪学(きょうたいじゃがく)」と批判されるようになりますが、その批判の急先鋒に立ったのが呉派(ごは)の文人たちでした。呉派は壮麗な北京での生活に背を向け、江南の文化都市・蘇州を中心に、俗を嫌い、清雅を求める生活を送ります。 この章では10件の作品によって、浙派と呉派の絵画世界を対比的に展示します。 |
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一級文物 琴高乗鯉図軸(きんこうじょうりずじく) 李在筆 明時代・15世紀 上海博物館蔵 李在は雪舟(室町時代中期の画僧)が入明した折、師事したことで知られる宮廷画家です。その代表作で、鯉に乗り昇仙しようとする仙人とそれを見送る人たちが、雄渾な筆致の中に描き出されています。このような風雨や激しい感情の表現は、呉派の文人画家たちには描くことのできない、浙派の特徴でした。 |
一級文物 石湖清勝図巻(せっこせいしょうずかん) 文徴明(ぶんちょうめい)筆 明時代・1532年 上海博物館蔵 蘇州で活躍した文人画家・文徴明の代表作です。繊細な筆使いと、美しいパステルカラーで春ののどかな湖の風光を描き出すことは、呉派の得意とした画題でした。小さな人々の姿にも注目。友人同士が語らうこのような構図は、当時の文人画によく描かれました。 |
第5章 明末清初─正統と異端─浙派と呉派の争いは呉派の勝利に終わり、その後近代に至るまで画壇の主流は呉派と、その画風を発展させた董其昌(とうきしょう)ら正統派とよばれる画家たちによって継承されていきます。やがて明代末期になると、それら正統派に背を向けた異端の画家たちが現れました。彼らの作品は、長い間中国絵画史でも無視されてきましたが、近年その造形的魅力に多くの人がとりつかれています。正統と異端という切り口から、10件の作品を展示します。こんな中国絵画もあったのか、という驚きの体験になるに違いありません。 |
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山陰道上図巻(さんいんどうじょうずかん) 呉彬(ごひん)筆 明時代・1608年 上海博物館蔵 呉派の典雅な山水に反抗して、16世紀には非常に個性的な画家たちが現れます。奇想派(エキセントリックスクール)と呼ばれるこれらの人々は、人目を驚かすような怪奇な造形を得意としました。呉彬はそれを代表する画家で、近年特に注目が集まっています。 |
一級文物 花卉図冊(かきずさつ) 惲寿平(うんじゅへい)筆 清時代・1685年 上海博物館蔵 惲寿平は清朝初期を代表する花卉画家です。「没骨法(もっこっほう)」という、輪郭をとらず淡い色面だけで描く、華麗な花鳥画で一世を風靡しました。誰もが「美しい」感じる色彩感覚が特徴で、その美意識が最もよくあらわれた作品です。 |
日本美術に例えてみれば…少し難しく思える中国の絵画。しかし、日本美術に例えてみると、本展覧会がよくわかるかもしれません。少々手荒ですが、有名な日本絵画を例に挙げてみましょう。
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