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韓国はなぜ離於島を防空識別圏に含めてこなかったのか

韓国はなぜ離於島を防空識別圏に含めてこなかったのか

 日本に続き中国が23日、東シナ海の防空識別圏に済州島南方の離於島(中国名・蘇岩礁)を含めたことで、韓国だけが同島を防空識別圏に含めていない状況が生じ、論争がエスカレートしている。

 離於島は韓国済州道の馬羅島から南西149キロメートルに位置する岩礁で、韓国政府が2003年に海洋科学基地を建設し、実効支配している戦略的要衝だ。韓国国防部(省に相当)は、離於島が韓国の防空識別圏からは欠落しているが、韓国海軍の作戦区域(AO)と飛行情報区(FIR)には含まれており、韓国軍の作戦には問題がないと説明している。

 しかし、韓国海軍のP3海上哨戒機や軍用ヘリ「リンクス」が離於島上空を飛行する場合には、30分前に日本の自衛隊に通報しなければならない。昨年だけで韓国軍の航空機が日本に事前通報の上で離於島上空を飛行したケースが17回あった。韓国軍消息筋は「形式上は事前通報だが、実際には事前承認に近い形態だ」と指摘した。

 このため、韓国軍当局が離於島をこれまでなぜ防空識別圏に含めてこなかったのか、疑問が生じざるを得ない状況だ。韓国の防空識別圏(KADIZ)は、韓国戦争(朝鮮戦争)中の1951年3月、中国軍の戦争介入を受け、米空軍が韓国の防空網強化のために設定したもので、北側の防衛を重視したのに対し、南側にある離於島は欠落してしまった。一方、日本は69年に防空識別圏(JADIZ)を設定し、離於島を圏内に含めた。

 韓国の海軍、空軍はこれまで、離於島が防空識別圏に含まれていないことによる作戦上の問題を国防部、在韓米軍などに何度も提起していたことが分かった。海軍は作戦区域と防空識別圏が一致しないため、緊急作戦時に艦艇と航空機の間で有機的な合同作戦が困難だと指摘。空軍は済州島周辺の航空上の脅威に迅速に対応するため、防空識別圏の改善が必要との立場だ。特に日本の防空識別圏は韓国の馬羅島の周辺領海の一部まで「侵犯」しており、速やかな改善が求められている。

 韓国政府と韓国軍は79年、83年に日本に対し、韓国の防空識別圏の拡張を求めたが、日本は防空作戦上の支障などを理由に拒否した。このため、韓国国防部は2008年、離於島を除外した形で韓国の防空識別圏を告示した。防空識別圏は任意に発表できるが、日本側の意見を尊重した結果だ。

 韓国政府は離於島を含めた形で防空識別圏を再設定することには依然慎重な立場だ。海軍や空軍の作戦遂行上、特に問題はなく、韓中間の離於島問題は基本的には排他的経済水域(EEZ)の問題であるため、中国側と協議の上で解決を探りたい構えだ。日本について、韓国は離於島を含む防空識別圏の再設定を強行した場合、日本が独島(日本名・竹島)を自国の防空識別圏に含める可能性も懸念しているとされる。現在、独島は日本の防空識別圏には含まれていない。

 一方、一部の専門家は日本が独島問題で強硬姿勢を取れば、尖閣問題をめぐり、中国に口実を与えかねないため、日本は強硬姿勢を取れないとの見方がある。このため、この機会に韓国の防空識別圏拡張問題を提起すべきだと主張する専門家もいる。

 空軍士官学校のシン・ソンファン名誉教授は「各国の防空識別圏は航空機で1時間の距離を含むことができるため、離於島を含める方向で韓国の防空識別圏を拡張すべきだ」と述べた。

ユ・ヨンウォン軍事専門記者
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