次回ぐらいで、龍人の国終わりになります。人の国に入ると、会話パートが増えてくのと、登場人物が増える予定です。
29話 迷宮攻略なんだけど
龍人の国に来て、迷宮に潜り始めて早4ヶ月。
今日の攻略で、300階層まで行きそうです。残り8階層だけです。
これだけ遅くなたのには、2つの理由があります。
1つは、店舗や部署が増えたことで、巡回?に時間と手間がかかり、日数が結構掛かった事。
もう1つは、龍の里の資源調査で、この山岳地帯にかなりの資源が見つかり、中には属性付きの魔石まで見つかった。
ここで資源が見つかったのは良かったけど、いざ発掘となるとどうしようと言う事になります。龍達では体格が良すぎて上手く採掘できない為、龍達と相談して、ドワーフさん達をまとめて雇うことになりました。
そこで、ドワーフの知り合いで、エルフの国の首都にある工房主のドンテスさんに相談してみました。ドンテスさんは自分の出身の村と、工房から何人か行くことで、何とかなると提案してくれたので、結局その案で決りました。
それからが大変で、ドワーフの村にいって交渉したり、賃金や住居や仕事など細かな打ち合わせ、龍の里の受け入れ態勢等、やることが山程あって大変だった。
龍の里の盆地に面した、50個ほどの空き巣穴を、黒セラミックでドワーフ用の住宅に作り変えたり、井戸を何個か作ったり、龍とドワーフ用の共同浴場を作ってみたりした。
今では、50世帯ほどのドワーフさん達が、移り住んでいる。この人たちの引越しも大変だった。
龍の里は、現在、龍達の鉱山数箇所、そこで働くドワーフ達、雑貨屋1軒、鍛冶屋3軒、公衆浴場1軒、で鉱山で採掘された鉱物を鍛冶屋が買取加工して、龍達の装備を販売、その他はインゴットや加工品にして雑貨屋に販売、それを俺が自分の店舗や他の商人達に販売という形になってます。
余談ですがドワーフ達は酒が好きで、雑貨屋の主力商品が、いつの間にか酒になっていました。
そして、4ヶ月で12回150階層から宝箱の回収をやり直せば、今の日数と言うわけです。
そして今いるのは、295階ボス部屋、ボスは身長15mの3つ首ドラゴン、ミスリルと氷の複合の皮で守られている。
飛行魔法と光のショート転移で立体機動して、足、翼、首の順に、黒椿と黒桜で刈り取り終了。ドロップ品は、角6本、牙12本、鱗50枚、鱗付き皮大10枚、爪10本で、宝箱は氷属性のトライデント1本、氷属性のフレール2本、ミスリルの魔法増幅の杖1本、白金貨20枚でした。
そして300階ボス部屋前。今の時間は午後3時前ぐらいで、時間的に丁度良い。
扉に手をかけて、嫌な悪寒が走った。
魔法の探査でボス部屋の中を詳しく探ると、3首ドラゴン並みの反応が3つ部屋の奥から有り、罠のような仕掛けや待ち伏せが無いのを確認する。
十分注意して扉を開け放つと、目の前に光が出現した。
理解するより、早く足が前に上がっていた。
「ライトさ(メキョッ!!)・・・。」
(・・・あ。)
目の前に、腕をこちらにさし出して、顔面に俺の靴底をめり込ました、光の大精霊のフィースの姿が・・・。
フィースが後ろにパタりと倒れていった。
確認したくないが、確認すると、リオのカーニバル以上に過激なマイクロビキニに、極彩色の孔雀の様な羽飾り、各種多数の煌びやかな装飾品の数々を装備した、エロ精霊が先ほどの態勢のまま床に倒れて伸びている。外傷は無さそうである。
・・・見なかった事にする。
部屋の奥を見ると、身長2mの人型の魔物が3体、光の無数の輪で拘束され、猿轡までかけられて転がされていた。
フィースがやったんだろう。
魔物の首を落としたが死ななかったので、心臓を貫き光の球で内部から破壊して、やっと光って消えた。やはり結構強かったらしい。フィースさえいなければ。
力の吸収がとっても少なかった。まだ200階層の魔物の方が吸収できた気がする。
ドロップ品もないし、宝箱は白金貨100枚、状態異常無効の効果の有るアームブレスレットが4個と、氷炎属性付きバスターソード1本でした。295階層に比べてすごく微妙。
奥に、重厚な造りの木製の扉が出現したので、開いて入るとそこには、水と氷雪の女神が待ちかまえていた。
「ライト君、2個目の迷宮攻略、おめでとう。」
「ありがとうございます。」
「ところでライト君、外にフィースがいた「いません。」・・・。」
「だからフィー「いません。」・・・。まあいいわ。」
「ところで最後のボスを倒した時、力の吸収がすごく弱かったのですが、どうしてでしょう。」
「それは簡単な事。フィースがほぼ倒した様なものだからよ。迷宮は活躍した割合で、力の吸収の度合いが変わる様に出来ているから、止めしか刺していないあなたは、ほとんど吸収できないのよ。」
やっぱりそうなんだ。ドロップ品や宝箱の内容も、それで変わっているのだろう。
バンッ!!
何かが背中に飛びつき、体全体が柔らかいものに拘束される。やっぱり魔力が違いすぎて、振りほどけない。
「ひどい!。愛しのライト様に、何時呼ばれてもいい様に、身も心も磨いて磨いて、衣装まで用意してお待ち申し上げていましたのに、何時まで経っても呼んで下さらないんですもの。」
この前勝手に来たのは誰だろう?
こんな格好で、人前で出現されたら、俺は2度と世間に出れない。誰だこの人のファッションセンスの師匠は?
フィース、お願い、体を擦りつけないで。首筋にキスしないで。
目で女神様に助けを求める。
「イヤ~ン、ライト様~、助けて~ン。」
・・・俺の方が助けて貰ったんだけど。
いいや。何かドッと疲れた。帰ろう。
「女神様、・・・帰ります。」
「お・・おつかれさま。また、いつでもいらっしゃいな。」
「ライト様、私もつれ」
さっさと、地上に転送されて、家に帰りました。
疲れて家に入っていくと、ラナ母さんとアマリリスが座って此方を見つめている。どうしたんだろう?
近づいて行くと、2人とも無表情になりました。あれ?
2人が立ち上がる。あれ?
ガシッ!!
2人に両腕をホールドされ、無言、無表情で引きずられて行く。なんで?
ラナ母さんの部屋に向かっている。え?え?
母さんの部屋に入り、扉が閉まる。
・・・こうして、長い夜が更けていく。
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