ライトの現状と裏設定みたいな回になります。女性目線で描いていますが、あくせくしながら何とか書きます。拙い所はご容赦下さい。
26話 女性達の今
ーサイドー アマリリス
ライト様、これが私のご主人様のお名前です。
元々私は、リッチと言う魔物で、何時何処で誕生したのか私も分かりません。
薄っすらと何かしていた記憶が有りますが、現実の事なのかどうかは、ハッキリしないのです。
気付いた時は、消滅の瞬間でした。ああ、消えていくと感じたとき、ライト様の魔力によって、私はまったく別の存在に造りかえられたのです。
そう、簡単に言ってしまえば、創造されたに等しい事でした。元々魔物は、殺した生物の魂や、精神、魔力など色々なものを吸収し、何十年もかけてランクアップする事は有ります。しかし、いっきに2ランク上がる事はありえません。
やるとしたら、3ランクか4ランク上位の魔物を、単独で倒せた時だけです。だからありえません。
それを、魔力を流してランクアップさせるなど、聖霊の上位種の大精霊や神龍といった、人間風に表した2Sランク以上の存在でなければ不可能なのです。
100%ライト様の魔力で作られた、私がライト様に惹かれるのは必然でしかありません。一目見てライト様に口付けをし、魔力と体液の交換をして主従契約を反射的にしてしまいました。
改めて感じるライト様の魔力は、暖かく、安心でき、力強く、濃く、大きい。
これを感じるだけで、生命としてやすらぎ、女性として満たされ、雌として熱くさせられてしまう。闇の種族として精力吸収能力があり、性交が只の食事に感じる私が、このお方だけの精が、子がほしくてたまらない。それほどのお方なのです。
聞いて驚きましたが、初めてお会いしたのが、人間種の13歳の時。ライト様は毎日、魔力と体力の訓練を欠かしません。
ライト様の母上のラナ様の話では、赤子の時よりずっと続けているそうです。最初は下の村のエルフより少し弱いくらいの魔力を日々少しずつ上げて今に至っているそうです。
そんなライト様が、偶に心が泣いている時があります。主従契約をしている私には伝わってくる嘆き声。
大体は、人種を殺してきた時でした。始めは笑顔でも、私とラナ様で優しく抱きしめると声を殺して泣きはじめ、どうして殺したのか、なぜ殺したのかぽつりぽつりと話てくれます。その後いつも3人でライト様の部屋で眠ります。
翌日には、無理をして笑顔で接してくれる、そんな優しいライト様が愛おしい。
そして、最近ラナ様が変わってきたのが感じられます。
多分、ラナ様が弱られた時、ライト様が魂を半分分け与えてから変わってきたと思います。
今までかわいい息子と見ていたのが、最近、女として、雌としてみています。私もそうだからこそ、私には分かります。多分、私が感じた事と同じ事を感じているはずです。
今は母親としての記憶がブレーキを利かせていますが、何かキッカケがあればブレーキも利かなくなると思うのです。
強き雄が雌を惹きつけるのは当然の事。雌がより強い雄に惹かれるのも当然の事。私を含め、ライト様の為、より多くの優秀な雌が集うのが良いと思う。あの光の大精霊も良いかも知れない。
そして、少しでもライト様と共に在りたい。
今日も、ライト様が眠りに付いてからライト様のお部屋におじゃまする。
私の部屋の扉を開けると、同じタイミングでラナ様のお部屋の扉も開かれる。
2人ともライト様と何らかの繋がりを持ているので、このタイミングはいつも同じになってしまう。
私が影を通して室内に入り、かぎを開け、ラナ様が入りかぎを閉める。2人で左右に分かれてベットに入り、ライト様をだき枕にして寝る。ライト様の香りと魔力を感じて眠る、このひと時がなによりも至福のときでございます。
ライト様は気配に敏感ですが、私たち2人には全くの無警戒で、心を開かれておられるのが分かり、さらにうれしく感じてしまいます。
お休みなさいませ。ライト様。
ーサイドー ラナイアウェル
息子のライトは、初めて会ったときから特別だったわ。
最初見たときは、蒼い髪に赤い瞳の人間種の赤ん坊だったのが、家に付くまでの間に、黒髪、黒目に変色していたのよ。
その色も、闇の黒ではなく、光の加減で七色に輝くとても綺麗な黒なの。
その後も、最初は人間にしては強い魔力が、日を追うごとに強くなっていくのが感じられたわ。
ある程度日が経った時、念話で話しかけられてびっくりしてしまったわ。人種は念話が出来ないと思っていたんですから当然ね。
話してみると、前世の異界の記憶を持っているらしいことが分かって混乱したけど、とっても良い子なのよ。何より、この子の魔力が暖かくて、くすぐったい様なとても気持ちが良いものなの。
ライトは毎日毎日魔力の練習をする頑張り屋さんで、15歳になった今でも続けているわ。
ライトは道具も作れて、3歳の時、黒い球で私にプレゼントを作ってくれたわ。とても綺麗で、魔力を流すと、私専用の防具や武器に変形するのよ。すごいでしょ!
ライトが寝るときは外してと言っていたけど、嫌よ。うれしすぎてはずせないわ。
ライトはね、8歳で音より早く(音にスピードがあるって初めて知ったわ)飛べて、光の転移魔法が使えて、その他料理や、道具なんか色々つくってすごかったけど、1番私が自慢したのは、努力をずっとし続けていることなのよ。
私の自慢の息子は、自分が弱い生き物だって知っているの。知っているからこそ、努力を続けていると思うの。
だから私は、息子が何か出来るようになると、エルフの村の人たちに知らせにいてたんだけど、エルフ達はあきれていたわね。失礼なんだから。
そんな私たちにも転機が来たのが、今から3ヶ月前、そう私が死にそうになった時。
その時わたしは、ライトを残して逝くのは心残りだったけど、主人と子供を亡くした私に、子を育てる喜びをくれた、ライトと神に感謝していたの。こんな私でも何かが残せた事がうれしかったのね。
私の存在が消えていく時、もう何も感じなくなってからどのくらい経ったのか、私の中が光に満たされたの。懐かしい、いつも一緒にいたライトをいっぱいに感じて。
なにかが、私の存在が変わった事を、伝えてきました。
私が何になったのか、力は、特性は、全てが一瞬で理解できてしまいました。
目を開けていく。
体高が上がり、目線が変わろうとも、愛しい存在が分かる。
人化を使い、ライトと同じ姿をとる。
今の存在になって、より理解できるわ。
この子が、この人が私と同じ魂を持つ者。私を必要とする者。
魂の繋がりと、存在のアップによって、この人の魂が感じられる。この人は、人としての魂が2つ交わり、私と繋がり、私にすら感じることの出来ない途方も無い何かと繋がっている。
思わず目が合った瞬間、抱きしめていたわ。
幸福感と、満足感がとてつもない。そのまま気絶しそう。
この人と繋がり、私はこの人と共にあるものになったのがとてもうれしい。
この後も迷宮から帰ってくるたびに、心が、魔力が魂の力が強くなっていくのが感じられるの。繋がりを通して、力が流れてくるし、強い感情も、心の痛みすらながれてくるのよ。こんな時はアマリリスと一緒に慰めてあげるの。
どんどん好きになり、愛しくなっていくのに、この前知らない雌の匂いを付けて来た時には流石にあったまにきて意地悪してしまったし。
今なら分かる。
龍種や人種のどんな種族とも番えるけれど、今の私と番えるのはライトだけよ。まだ、人種として、幼い様だから抑えているけど、もう少ししたら美味しくいただくわね。
それまでは添い寝でがまんしてあげる。ライト。
ライトが怯えた目でこちらを見ているわね。とってもかわいいわ。
お休みライト。
色々書きましたが。私の考えでは、3Sランクが亜神クラス、EXクラスが神々のクラスですが、人間に神を理解できないのでひとくくりですが、神々のなかでも階級があり、1ランクで天と地ほどの差があります。
ハッキリ言って迷宮の5個やそんなもので神にはなれません。と言う設定です。
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