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みなさま、感想、ご指摘ありがとうございます。全て読ませてもらっています。特に、Y.S.Sさん細かなチェックありがとうございました。
PC歴4ヶ月で皆さんに、PCを打つのが遅く返事が出来ませんが、その分ストーリーを進めて、皆さんが楽しんでもらえる様にがんばります。
ちなみに、会話が少なく、1人称で進めているのは、みなさんにいっぱい妄想して楽しんでもらいたいと思ってこうしております。私は想像するのが1番たのしいので。
21話  王様って流石だ
 迷宮を攻略してから10日経ちました。

 簡単に、10日間の起こったことを説明すると、この首都にいる暴力的な組織は、全てライト商会の警備部に入りました。
 向こうから、こちらに打診があり、入る事になりました。なんでも、1・2番の大きさの組織をまとめた組織に対抗できないのと、実入りの悪い土地で組織を運営するより、はるかに待遇が良いかららしい。
 収入の最低額は約束されて、自分の担当の地域の治安の良さで給料が上がる。地域の評判でも上がる。犯罪者の検挙でも上がる。冒険者の登録料は立て替えてくれる。冒険者としての収入は自分のもの。転職は基本自由で商会内での転職は、しっかりサポートしてくれる。冒険者としてのランクで警備部での収入や地位があがる。

 これだけあるので、揉み手をして加入してきた。

 始めに入れた西地区は、商店主や酒場や花町の店主などにも少しづつ、受け入られてきている。少ししたら、契約してくれるお店や、契約のランクを上げてくれるお店も増えてくれると期待する。

 ルコ(チョコレート味)の実ですが、早速ケーキ屋に持って行き、5cm画ほどの大きさで、50Cで販売している。ケーキやクッキーにも使い取り扱いの種類も増えています。
 ルコの実はこの大陸に無いので勝手にチョコの実と改名している。
 この日から、完全に生産が間に合わなくなったので、裏手の民家が空きやなので手に入れ生産場所に改築中です。それと東地区にもケーキ屋を開店する為に、店舗を購入しこれも改装中です。

 あと首都南にある、港町の端っこに大きな保養施設を作っている。従業員に休みの日、釣りや、水浴び、バーべキュウ、観光をするのに格安でしてもらおうと思っている。1泊2食200Cぐらいを考えている。

 龍人の国はこの前行きました。龍の里から音速で3時間弱でした。

 この国は、地球的にはロシアの位置で、冬が厳しい。今は春先で、雪が多く残っていた。商人ギルドに挨拶し、倉庫付店舗を手配してもらい、簡単な改装と補修を依頼しておいた。

 最後に各店舗、建物、俺の自宅に通信機を設置した。これで少し楽になる。


 あれからふと気付くと、母さんや、アマリリスが時折こちらをじっと見ている。なんか、本能的にまずい気がする。蛇の前の蛙みたいな気持ち?

 最近はたまに2人で何か話してる。

 迷宮探査も一段落し、今は必要なアイテムをドロップする魔物だけ狩っている。時間に余裕ができたので、白龍の山の奥の強い魔物を狩ったり迷宮の食材でアマリリスと新料理を試したりしている。

 そして昨日、商業ギルドから連絡があり、今日の午後1時に接見して下さるそうだ。ありがたいことです。

 店舗があと10日ほどで外装が完了するそうです。昨日店舗に従業員を集め取り扱い品を説明していった。迷宮の品々も扱うことになるので、警備部の上位者も手配しておいた。全ての商品は市場価格の1割安い価格です。

 商店などを潰すのが目的ではなく、物がより流通する社会をつくりたいだけ。今よりちょっとだけいい世界。そこで、家族と暮らしたいだけ。・・・今度こそ。

 午前は、エルフの村に行ったり、母さんとベーコンを作るのをチャレンジしたりしていた。原料は、あのオークです。油身が少なく、豚肉の旨みが多いお肉、醤油、にんにく、胡椒、酒、砂糖、はちみつ、これだけ使ってチャーシュー絶対今度作る!

 早めに昼食を食べ、王宮に向かう。

 敷地は1辺が1kmの正方形、周囲は10mの塀が囲み南側に正門があり、中央に5階建て4隅に尖塔をもつ、白い建物、後方に何件かの離宮と、前面両サイドに官僚や衛兵、使用人などの関連建物がある。敷地内は木や、池、小川が計算されて配置されているので窮屈さが無い。

 正門で門番に用件を伝え、控え室に案内されしばし待つ。その間に簡単な作法を聞いておく。

 しばらくして、2名の衛兵が迎え来て、2階にある大広間に案内される。

 扉の前で立ち止まり、声が掛かるのを待つ。そして声が掛かる。

 「商業ギルド、2Sランク商人、ライト商会、会長、ライト殿、入室どうぞ。」

 中の衛兵さんに呼ばれ、扉が案内の衛兵さんによって開かれる。少し俯きぎみに正面を見ないよう、入室する。足元の絨毯を見ながら前に進み、絨毯の終了したところで、片膝をついてかしこまる。

 お城に入って、魔力の阻害を感じていたが、この部屋はそれがさらに強く感じる。結界だね。

 「面を上げよ。」

 左前の司会のような人に言われ、立ち上がり正面に向き直る。正面に王様、お妃様、その横に王子さんが二人、両サイドに着飾った上流階級のハイエルフや、エルフ、入ってきた扉近くは多分官僚だろう硬い感じの人たち。あとは衛兵が等間隔に壁際に配置されてる。なぜ、こんなに人が居るんだろう。顔見世かな?

 「うむ、ライトと申すか。して今回の用件はどの様なことだ。」

 と国王様が話しかけてくる。

 「はい、この度は特殊な商談をお持ちいたしました。その為価値の判断の正確さを上げていただくため、魔法師、錬金術師、魔法具鑑定士の同席をお願いいたしております。」

 「そちの、右手に筆頭魔術師、主席錬金術師、宮廷御用商人を呼んでおる。話をはじめよ。」

 しばらく待つが、他の人たちが部屋から出て行かない。

 「私は、国王様と、他3名の方々へ用件がございます。それ以外の方々には御退席いただきたくお願がいいたします。」

 周りがざわつき、不遜だとか、人間の分際でとか、王様の御前でとか聞こえてくる。何か無性に、龍の里を思い出す。

 顔を上げてからずっと、王様の目を見ているが、そんなにバカでないはずなんだけど。かんちがいかな?

 「この者達は、国を動かしていく中心近くにいる者達、同席させようと思うのだが。」

 バカでないのに、バカのふりしてるのかな?ならお決まりの反応でいいかな。なんとなくやりたい事が分かったので、おれの口元がほんの少し上がる。その時王様の口元が少し上がった。なるほどね、合わせましょう。

 「では、私の用件は終わりました。ありがとうございます、もう2度とお会いする事もないでしょう。失礼いたします。」

 そう言って、踵を返し入り口に向かって歩き出す。周りの外野がとてもうるさい。

 入り口に着き、扉が開くと、慌てたような王様の声がかかる。

 「待たれよ、ライト殿!。みなの者、しばしこの者と話がしたい。席を外して貰いたい。」

 王様でも、聞きたくもない上流階級の話でも、形だけでも聞かなきゃいけないんだろうな。簡単に言えば2Sランクの商人を見たいとでも言われたんだろう。ご苦労様。

 もう一度王座の前に行き、お辞儀をして待つ。

 すごい、衛兵も王妃様や王子様たちまで退席した。

 全員が退出したので聞いてみる。

 「国王様、壁の裏に居る護衛5名と、天井裏の私を囲む様に配置した4名の方々はどうしましょうか。」

 「うむ、それも分かるか。さすがだな。良い、その者たちは自ら王家に忠誠の証で、奴隷の契約をしたもの達だ。心配はない。」

 「では、話を始める前に、国王様以外の私を含めた4名に、今からここを出るまでの間、嘘、偽りをしてはならないと、制約をおとり下さい。」

 「制約を取らずとも、もとよりこの謁見の場は、嘘、偽りは重大な違法と成っておる。」

 「あと、話づらいので通常の言葉使いに戻して宜しいでしょうか。」

 「おお、すまんかったな。他にわずらわしい者もおらんから良いぞ。」

 やっと普通に話が出来る。元から王様が居ない世界の、記憶を持つ俺だと、どうしても畏怖や尊敬が沸かない。基本相手の、能力に対して尊敬を持つのは理解できるが、この王様が役人から自分の能力で、この地位に就いたら無条件に尊敬できた。
 今は、国の調整役として苦労している事に、純粋に尊敬できる。

 「では、話に入ります。迷宮のアイテムを直接買い取っていただきたいと思います。そのため、武具は、出入りの商人殿に、その他のアイテムは魔術師殿と錬金術師殿に鑑定していただきたいと思います。よろしいでしょうか。」

 アイテムはこつこつリストを作ったので、それを渡して、武具は闇から300階層から強力な物を順番に30品出した。
 王様は闇の魔法に反応していたが、魔術師と錬金術師はリストの内容に、商人は現物を見て驚いていた。鑑定が終わるまで王様と話をして、時間を潰す事にする。

 王様と話して分かったのは、ほとんど俺の行動は把握されているということでした。分かっていたけど、組織を解体して組み込んだ辺りで、警戒していたが、その後孤児達や食堂などで警戒が少なくなっていったようです。

 先ほどの茶番も、上位の上流階級のエルフが、同席させろとねじ込んできたかららしい、2Sランクの商人と国王の話に首を突っ込む意味が理解できないのだろう。
 俺でも分かる。一つの国が、大陸をまたにかける商人との話で、どれだけ利益や不利益が発生するか。それこそ国家予算並みの金額が、大きく関係するのに馬鹿だね。

 鑑定が終わったようです。魔術師と錬金術師の二人から、リストを受け取り確認する。分からない物が2品ほど有ったので、現物を見せてあげ、鑑定が終わる。妥当な金額と評価が乗っている。
 そのリストを王様に渡して確認させる。

 武具のほうも終わったので、その評価リストも受け取る。・・・ここにも馬鹿がいた。

 リストを王様に渡し、確認させる。そして一番右の装飾の付いたブロードソードを取り上げ、王様に渡す。部屋の外に出てもらい、剣に魔力を通してもらう。商人の顔が真青だ。
 王様が無表情で戻ってきた。リストを商人に返し全て修正させる。信用を無くした商人は、その国でやっていけないのに、馬鹿なことをしたものです。

 王様が衛兵を呼び、商人を連行していきます。投獄される様だ。
 多分、俺の姿が若いこと、自分以外武具を詳しく見ていないことで安く買い叩き、自分の利益にでもしようとしたのだろう。でも、全ての武具の主要能力を、故意に評価しないのはやりすぎです。王様が持っていった剣も、火炎剣の魔法剣なのに、火炎機能をあえて外していた。

 この王様は、頭も回転が速く、行動力もあり、話も合いそうなので言っても良いかな。

 「私は冒険者もしていて、迷宮にもはいっていますが、300階層までの攻略が終わりました。ここに出した品は、迷宮のアイテムの最上位から順に出したものです。良ければ、武具、素材アイテムを上位から1000品目、魔法具を上位から100品目を国で買い取ってほしいのですが、どうでしょうか。」

 王様が代金の心配をしていたが、無理も無い。武具30品ですでに国家予算に近い金額で、全部で30年分ほどになる。
 少し考え方法を提示してみる。

 支払い金額は、評価金額の半額、支払いは王様が250歳ハイエルフなので、500年払いの分割で商会に支払い、利息は無しの、物品先渡し、でどうか聞いてみる。

 王様がこちらの心配をしてくるが、全く問題ない。王様結構正直者みたいだ。

 それなりに意味がある。金額は俺が手に入れたもので、いくらでも問題ない。それに探査が進み全体的に価値が下がるはずです。国が支払人なので500年商会に、お金が入り潰れないですむ。俺が死んだあと、母さんやアマリリスの何かの役に立つかもしれない。
 武具が国の兵士に行き渡れば、その分国が平和になる。

 いくつか条件をださせてもらった。

 上位の能力の武具は、王族の専用装備にしてもらうこと、それ以外は、兵士に貸し与え魔物討伐や、盗賊討伐、迷宮探査など必ず使用して、飾りとしないこと。

 こうすれば、国内の治安が良くなる。

 契約を発行して、広間にアイテムを全て契約分出していった。広間がいっぱいになったけどしょうがないね。

 帰り際、王様に王家のマークのペンダントをもらった。これを見せれば、王宮に出入り自由と、国に仕える者をある程度使役してかまわないそうです。いいのか?こんなのあげてと思っていると、王様に、15年分こき使ってくれと言われた。

 実際使用しないけど、この王様に合いに来る時使うのは良いかも知れない。

 お返しに白龍の山近くのエルフの里に、農作物の新しい栽培法を教えてあるので、国全体に広めたら大いに、豊かになるよ、と教えて帰った。

 今日1日で、何かのトップに立つ人は、何か秀でるものがある事を実感した。







 

 
今回の作中に、ほんの少しライトの望みを書いてみました。


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