前回の話から1ヵ月後になります。少し回想っぽくなっています。
19話 子供達に未来を
迷宮に潜り始めて、1ヶ月経ちました。
かなり周りが変わってきているので説明をいれる。
まず龍の里商店、龍の里の奥に大きな岩塩鉱山が発見された。これで塩が自給できるし、それを近くの町などに直接販売すれば、外貨が稼げると教えたが、里の商店を通してくれるそうです。義理堅い。
装備は盾と槍、ブロードソードぐらいまで、行き渡った。装備が良くなり、連携も覚え始めたので、負傷が減り、前よりランクの高い獲物が獲れ始めている。
収入が増え、調味料など豊富に使えるようになったので、グルメブームが起きている。
後、里でドワーフを何人か雇い、金属と宝石の鉱山を捜してみてはどうかと提案してみる。
エルフの里?町?は、住人が500人以上になってきた。長老さんに言って、周りの村でも胡椒を増産してもらってる。元の里だけでは、龍たちの消費に対応できなかった。果物や野菜も村の販売以上の分は、全て買い取らせてもらってる。
商会の本店は内装が終わり、昨日から、事務用品や商店の内装品を搬入し始めている。10日経った時セミールさんに言い、でかい厨房付きの食堂を従業員付きで買った。かなり赤字を出していたので、安く買えた。
2日で内装の壁紙を張り替えさせ、店内に鉢植えを飾り、2階の個室席をゆったりさせて調度を高級なものに取り替えさせ、料理人に俺やアマリリスが作る料理を叩き込み従業員全員に試食させる。あとは、料理人に手に入れられる食材でアレンジさせる。
開店初日、今までの3倍の料理を午後3時で完売。2日目前日の3倍の量を午後6時で完売。
2日目終わりに、従業員に1人金貨1枚づつボーナスを支払い、3日目従業員を増員した。やっと4日目で夜9時までの2交代制になった。
次にもっと西よりに2店舗大きな食堂をやはり買い、1店舗は大衆の食堂酒ありで、ハンバーグや、煮込みうどん、ピザ、フライなどの庶民派食堂にして従業員を十分そろえて開店させた。
もう1店は、ケーキや、果物タルト、カステラ、クッキー、ゼリーなどの甘味の店でお茶類を充実させ、小洒落た内装とテイクアウトで対応することに。
どの店も、地元の物を使い無いものは、迷宮の食材や調味料をふんだんに使わせたので、値段は少し高いが味と、商品価格がとても良いものが出せる。
この3店は今も行列が絶えない。
そんなある日、警備のネスケルさんと市場に出かけた時、ごみを漁っている痩せた子供達を見た。すぐにネスケルさんに聞いてみると、この西地区で300人弱の孤児と1000人ほどの浮浪者がいるそうだ。
本部に戻りながら考える。
総責任者のセミールさんとその部下3名と警備のネスケルさんで話をする。
「孤児たちを何とかしたい。そこで考えたが、うちの主力の黒セラミックの生活用品の彩色をさせたい。最初食器の彩色を教える職人10人を10日雇って年長者に教え、その年長者が年下の子供達に教えると言う形を取りたい。
孤児たちが住む場所は、隣接した屋敷をまとめて買い、その近くの大きな倉庫に仕事場をつくる。住み込みでまかないをする女性の浮浪者と、孤児たちの面倒を見る老人の浮浪者を各40人ほど雇い、その孤児たちの住む場所の造成に必要な数だけ大人を雇う。出来上がったものを運ぶ人そくに働きの良い者を継続して雇う。」
その後細かい事を5時まで話し合い、翌日から従業員を10名追加して取り組ませた。
今は仕事がスタートし、敷地内を造成中です。敷地を合わせてみたら、かなり広いスペースがあったので、平屋の簡易図書館兼寺子屋も作ることにしました。昼間の老人達の仕事として、休みの子供達に読み書きや知りたい事を教えさせるため。ここでの仕事は大人も子供も10日の内7日仕事にしています。
これらの仕事や見回りを2日に1日は母さんとアマリリスと3人で回っています。
3人で回っている時何か共通の社章みたいなものを作ろう、と思い立った。どんなのが良いか考える。
母さんに、俺とアマリリス3人を意味する印。
黒の剣と盾に聖白龍の顔を意匠させた物が思い浮かぶ。うん。これでいいな。
セミールさんに説明し関連の店舗や建物にマークを入れてもらうことにした。セミールさんも賛成してくれた。ついでに幹部系の人には同じマークの金の縁取りワッペンを配る事にした。社員の人たちには、銀の縁取りにした。
こんな忙しい日を過ごしていたので、まだ実質10日間少ししか潜っていない。
いまは、250階に潜っている。潜るスピードが落ちたのは、150階まで広くなっていくフロアーが最終で直径5kmまで広がったことと、宝箱が10日ほど日が経つと復活するのが分かったので、誰もいない120階から潜り直すこと2回、なんとか進めている。
それと、200階越えた辺たりから力の吸収を感じるようになったので、200階以上は魔物の殲滅を目標にしながら階層を重ねている。
この頃、迷宮探査の日は朝からギルドに行って、レスニール達冒険者と話をしている。
30分ほどだが、探査に役立つ魔物の情報や、トラップの種類、果てはどこの国はどんな状態か、盗賊はどうかなど色々なことを話す。
150階までの装備を低価格か交換で譲った。
250階層くらいになると、魔の森くらいの魔物になるし結構良い魔石が出てくる。ただ、知らない魔物でのドロップ品は、食品と皮、牙、角、肉あたり以外は何に使うのか分からない。
一応、道具袋に入れると、手を入れて出したい物を念じるとリストで正式な名前が思い浮かぶので、魔物の名前や品名は分かる。何の材料なのかが分からない。
今度、魔法士か錬金術師、魔道具屋にでも聞いてみる必要がありそうです。何か考えよう。
あと、この迷宮にきて思うのは、極まれにネタ魔物がいるのが分かる。
いまも目の前に、ゴーレムがいる。・・・けど頭にチューリップが1輪咲いている。ゴーレムは動きは遅いが、その分力が龍並み、魔法も効きにくい、体は石で出来ている。
色々やってみたが、結局首を切り落とすと動きが止まり、消滅します。腕や心臓の位置が欠損しても、時間が経てば再生するし、無くても動きが変わらない。
問題は倒した後です。魔石とチューリップが1輪ドロップしました。
・・・石の横にチューリップって・・・とてもシュールでした。
その次に出てきたのが、頭にひまわりが1輪咲いてるゴーレムだし・・・。
気を取り直して進んでいると、銀色のスライムがいました。体高15M有り、触手が無数に蠢いている。銀色の霧を吹きかけてくるしで、結局取り込まれてから中に有る核を刺して倒しました。
さっきから1体ずつ出てきてるのに気付いているだろうか。200階以上は1体ごとの、体がでかいので単体で来るのが増えている。
午後4時ごろ280階に来ました。
ボス部屋でボスと対峙しています。1つ目の緑の巨人で、腕が4本あります。それぞれの腕に、盾、剣、槍、メイス、さらに胸にはブレストアーマーを装備している。
あれ、ほしい。龍達の装備として、ドロップしてくんないかな。
気を最大にして、黒椿と黒桜を5mに伸ばす。胸に向かってジャンプし両刀を振り下ろす。緑の巨人は防御しようとしたのか4本腕の武具でガードするが、黒椿と黒桜が武具ごと叩ききる。
抵抗感も無く、切り下ろし胸に着地し、振り上げた両刀を耳元から反対側に貫く。元の位置にジャンプし終了。
光が消えてドロップしたのは、大きな1mの魔石と、骨付き肉、瓶入り目玉・・・。絶対魔法系の素材を調べないと!!
宝箱も出たので、白金貨30枚とブースト付のミスリルのタクトと全属性耐性付ミスリルアーマー、光属性付の1.5mの弓でした。タクトはアマリリスにあげよう。弓は母さんにしよう。
切りもいいので、今日は280階で出ることにする。
外はまだ日が有り、ギルドに売れる物も無いので市場に行く。
ちらほら、彩色工場の孤児達の姿が見える。服がほとんどぼろぼろだったので、制服と言う事にして、簡単なシャツとズボン、スカート、ジャケット、防寒コート、下着、ベスト、仕事場で着るスモッグ、を1人3セット支給という形であげた。この服は、大人の浮浪者で手先が器用な人を雇用して作っている。
この孤児たちは、最初はなにかだまされるんじゃないかと、疑心暗鬼になっていたけど、5日ほど経つと2歳ぐらいの子から16歳ぐらいの子まで例外なく全員一生懸命働いてくれている。
お腹いっぱいご飯がたべれて、ベットで寝れて、服がもらえて、住む所があって、お金は少ないけどもらえて、贅沢をしなければ大人になった時自立するための蓄えができる。
綺麗な絵付けが出来る子や、人よりたくさん出来る子、人に教えるのが上手い子などはすぐに給金が上がったり、個人部屋がもらえたりする。
こんな好条件の仕事大人でも早々無い。
1ヶ月たった今は、他の地区から少しずつ噂を聞いた孤児達が集まってきている状態です。屋敷も増築中です。
この時間は就業時間が終わったのか、連れ立て市場に出てきている児が見える。たぶんもう1ヶ月経つので給料が出て買い物なのだろう。
のんびり歩いていると、その場面に出くわした。
工場の児達で4歳の女の子、7歳くらいの女の子2人、10歳くらいの男の子2人で買い物をしていたのだろ。そこに3人のチンピラ風の大人が絡んでいる。
「ぼくちゃん。じょうちゃん。おじさん達、お金無いんだけど、恵んでくんねーかなー。今夜の酒代がほしいんだわ。」
ゴミが!!近づいていくと、男の子たちが女の子を後ろに庇うのが見えた。
「素直にだせよ!くそがきが!!」
「生意気なんだよ!!」
ごみ2人が前の男の子2人を殴り倒し、1人が女の子を1人つかまえた。瞬間、土魔法を発動しゴミを拘束する。
「だいじょうぶ?ちょっとまっててね。<光の祝福>・・・どう、まだ痛いところある?」
ぽかんとしていたけど、なんとか大丈夫みたいです。よかった。走ってきた警備員にごみを渡して本部に連行させ吐かせることにする。なんか少し前の警備員達とおなじ感じがごみからする。
「えらかったね。弱い人をいじめたら、もっと強い人からいじめられるから気をつけてね。あのおじさん達は今から俺にいじめられるから安心して。じゃあね。」
飛行魔法で、本部に飛ぶ。まだ尋問していたので、氷のつららを出して5本も足に刺したら答えた。やっぱり東地区の1番でかい組織らしい。警備のケスネルさんに聞いてみると、トップ2人が人間の賞金首だそうで15万Cらしい。この都市では最後の賞金首らしい。
ギルドにいって顔と賞金を確認して本部に戻り、ゴミ3つを持って空から向かう。警備部は通常営業に戻し、来てみると大通りから1本入った、倉庫付の大きな屋敷でした。
今回は、時間も無いので正面から行く。
気を巡らし、魔力を纏い、探査の魔法を常時かけ正面玄関から、後ろに浮かべたゴミ3つを引き連れて入っていく。門は殴って吹き飛ばし、近づくやつを空気の玉ではじき、正面扉は蹴って吹き飛ばす。20M扉が飛んで壁をこわして止まる。玄関ホールの中央で止まり、そこらへんに3つのゴミの猿轡をはずして置いておく。
待つこと10分、目的の2匹が出てきたので、風の魔法で拘束して目の前に持ってくる。
黒椿と黒桜で、のこぎりの様にぎこぎこ引きながら首を取る。取った首を床に置き頭のてっぺんから1本づつ刀を刺して床に止める。3つのごみを空中に浮かべ、手足を順番に普通の火炎で焼いていく。途中つららも腹、わき腹、股関節、肩口に刺してやる。死んだようだ。
逆さにして2Mの氷の杭を出し、ケツから口に貫いて床に固定する。
ここにいる、組織の人間が物音1つ立てないで静まり返っている。
「ここは今から俺のものになった。おまえらは、俺の物に手を出した組織の一員。2択しかない。1つ、ここに残って絶対服従か、この都市を出て行くか。
明日の昼にもう一度来る。各人でどうするか決めておけ。服従しないものが3日以降この都市で見かけたら、この3つごみの様に始末する。
末端の組織の人間にも決めさせろ。」
そう言って、床に差した刀を首ごと抜き、首領の着ていた上着に首をくるんで、闇にしまい歩いて外に出る。空に飛びギルドに向かう。
ギルドの扉を開けて中に入り、奥に向かう。途中、冒険者のレスニールさんもいたので、軽く挨拶し、支払いカウンターに行く。
この前の豹のお姉さんが気付いて固まる。カウンターに首をくるんだ上着と、カードをおく。
「懸賞金お願いします。」
「・・・は、ハイ、少々お待ち下さい。ライト様。」
なんか、この前おどかしすぎたかな?
賞金をもらい、カードを受け取る。20日ほどまえにAランクになってから、ステータス以外あまり変化無い。
レベル 108 職業 **の魔法剣士
体力 83 祝福 **の寵児
魔力 482
筋力 62 称号 食の探求者、龍の導師
知力 102
敏捷 94 階層 280階
精神 128 撃破数 23,005匹
運 201 預金 248,543,021C
預金の桁が邪魔なので、100万C単位で商業ギルドのカードに移しておこう。レスニールさん達は、今日120階層を突破したそうだ。お祝いに毒耐性のリングを人数分あげた。
最近なんか俺サラリーマンみたいだ。
ステータスの預金は120階から150階までのアイテムの金額です。現金は含まれません。
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