15話 やる事いっぱい
15歳を超え、冒険者ギルドでの登録ができる歳になりました。
ギルドの登録に、1万C(金貨1枚)必要になるが、身分証の代わりになり、ほぼ、どこの町や都市で入場にお金が要らず、依頼を受けることができ、神々が造った迷宮にも入れるようになる。
ただ、義務も有り、滞在中にその場所が魔物に襲撃された時は、強制的に防衛に参加しないといけないことや、ランクが、EX、3S、2S、S、A~Hまでの12階級あり、その内Bランク以下のランク者は、年間の依頼の最低達成金額が設定されていたり、特殊指定依頼で個人あてに、ギルドが指定して災害救助(水害、地震などの救援)に活動する義務など発生する。
Aランク以上は、大体が国のお抱えと言う事も有り、全ての義務から解放されるみたいです。
昔、初めて冒険者ギルドのことを知ってから、この日を楽しみに待ってた。
だって、冒険者だよ、冒険者!
ファンタジーって言ったら冒険者!憧れるよね。
自分が、悪の魔王や魔神を倒す様な大それたことが出来るとは思いもしないけど、新天地を見つけたり、新しい遺跡みたいなのを発見して冒険したり憧れるよね。
そんなんで、エルフの村のギルド出張所に来ています。
2年前からスタートし、20人ほどの職員がいる。素材の買い付けや、依頼の仲介、新規登録もしている。
今日は、登録に来ました。
扉を開けると、右にカウンター窓口が2箇所、左にいすと机が3セット左の壁に依頼が張り出されている。2階は職員の事務室や応接室になっているそうです。今は2人組みと3人組の冒険者が依頼をえらんでた。元から何回も、素材を売りに出入りしているので、そんなに緊張は無い。
「こんにちは。」
元気に挨拶して、カウンターに行く。
「あら、こんにちは。ライト君は今日も素材売りなの?」
エルフのお姉さんに話しかけられる。他にも受付の人が何人かいるけど、このお姉さんが一番窓口にいるので、いつの間にか、常連化してしまった。
「今日は、やっと登録にきました。」
「そっか、もう15歳になったんだ。この用紙に記入していて。奥から受付の道具をもってくるから。」
用紙に出身国、名前、年齢、性別記入して、金貨を1枚用意する。お姉さんの方はどうぐを運んで待っていてくれた。
「まずは、ここに血を一滴流して、この水晶にてを置いてね。」
カードを道具に差込、お姉さんが教えてくれる。ナイフで血をたらし、手を拭いてから水晶に乗せる。水晶から微弱な魔力が流れてきて止まり、道具からカードが出てきた。
渡されたカードを見てみると、表にランクと名前、出身国、年齢、種族、性別が有り、裏は無地でした。
「あ、そうそう、そのカードは本人が触れているか、見せたいと念じないと表記が消える魔法具になっているから気をつけてね。それと本人の魔力を流せば自分のステータスを表示できるようになっているのよ。」
魔力を流してみると、裏の無地の面に表示が出てきた。
ランク H 名前 ライト 出身 エリフィン精霊国 15歳 人種 男
レベル 047 職業 冒険者
体力 64 祝福 **の寵児
魔力 284 称号 食の探求者、龍の導師
筋力 46
知力 85
敏捷 74 階層 無し
精神 92 撃破数 0
運 188 預金 0C
何か、色々突っ込み処があるけど、ステータスの表示は、素の状態の表示みたいです。祝福は**の部分が分からないのでパス。・・・称号は、そんなに食い意地張ってたかな俺、調味料とかでがんばったけど?龍の導師は、ここ最近勉強会の先生みたいなことしてたし、しょうがない。
裏のステータス部分は、お姉さんが言うには金額の所以外は基本自動でその都度変更されていくようです。
これが、身分証になるのでいいんだけどね。登録も終わり確認したので帰ろうとすると、お姉さんに呼び止められた。
「ランクだけど、そこはギルドへの貢献度と利用度、そのランクの魔物を単身で倒せる実力の両方で、上がっていくから気を付けてね。」
なるほど。どちらかだけではランクが上がらないらしい。
「ありがとう!がんばるね。」
挨拶をして外に出る。
お次は、商業ギルドに登録しないとならない。
これは龍達の里で装備をどうするか話した時、取引をするのに、いきなりではなく練習を兼ねた取引や駆け引きをできる場がほしい。と言う意見が出たから、仮の店舗みたいな物を龍の里に作り、お金や物の取引の実践の場にしようと思ってる。
それに、龍の装備や食料は、ただでさえ量が半端ないので今のままでは心配で、この国の首都にある大商人との取引が必要になると考えたからです。
あとは、腕の良い鍛冶屋と取引するのにも商人の方が、何かと都合がいいと思ったのもある。
今は昼前なので、母さんとアマリリスと3人でお昼を食べて首都に出かけることにする。
アマリリスは飛行できるがスピードが遅いので、家で待っていて着いたら俺の影から転移してもらうことにする。
母さんは、人型になってから狩りの時以外龍型にはあまりなることが無い。母さん曰く、人型の方が燃費が良いそうです。そう言えば、2人前ほどでお腹いっぱいになるそうです。基本能力はあまり変わらないそうです。
早速、母さんと空へ、いざ北東1300km先の首都レニアースに向かう。
2時間の空の旅。久しぶりに母さんと追いかけっこをしながら飛んでいく。
視界の先にこの国最大の湖、精霊の湖と呼ばれる淡水湖が見えてくる。形は太いU字型で窪んだ場所に首都があり、南に大きな港と湖の南に第2都市が有る。湖の面積は日本の本土ほどの面積がある。
レニアースの西門に近づき、降りていく。アマリリスに連絡しこちらに転移してもらい、3人で並んで見物しながら門の入場の検査列に並ぶ。
周りの視線がとっても痛い!気持ちは分かる!でも当事者にはつらい!
10分ほど並んでいると、始めに母さんが気付いた。
「ライト、今門から出てきた馬車がおかしい。」
言われて魔力で探ってみると、たしかにおかしい。飼葉を山の様に積んだ3台の馬車の荷台に、微かに人の生命の反応がある。
「母さん、門の警備員を呼んできて。俺は足止めする。」
「わかったわ。無理しないでね。」
「アマリリス、いくよ!」
「ハイ!マスター。」
2人で飛び上がり、馬車の前に着地する。
『アマリリス、火炎球2つ頼む。』
俺は直径1Mの火炎球を1つ出し、黒椿と黒桜を刀状にして御者に話かける。
「止まれ。動くと殺す。」
御者たちが馬車を止め、こちらにわめいてくる。
「小僧!あぶねーじゃねえか。どかねーとひき殺すぞ!」
火炎球を先頭の御者の前、2mに近づけて停止させる。アマリリスも2台目、3台目の御者に同じ様にする。
「何で人の反応がするのか、荷台の確認をさせてもらう。降りろ!」
「!!・・・こ、こんな事をしてただで済むと思ってんのか。」
荷台もおかしいが、こいつ等もおかしい。農家の格好しているのに、ショートソードで武装しているし、柄が悪い、そして3人とも動揺している。
火炎をさらに近づけ、御者台から落とし、地面に落ちた所を土魔法で拘束する。必死に剣で崩そうとするが、邪魔なので拘束を顔以外すべて土で覆う。
5人の警備員を連れて母さんが近づいたので、警備員に事情を話す。
「この荷台から人の反応が有ります。この御者達も言動がおかしいので拘束しました。荷台を調べて下さい。」
「分かった。すぐ調べて見よう。しばらく拘束を頼めるか?」
「ハイ、こちらは任せて下さい。」
ここからは早かった。案の定エルフの子供や獣人の子供、10歳から20歳ぐらいが20人出てきた。みんな麻酔を掛けられたのか眠っていた。
警備の人が応援で30人ほど、ぞくぞくと到着する中、最初に話しかけてきた人がこちらに近づいてくる。
「最近、行方不明者が続出していて、全員その被害者みたいだ。見つけてくれてありがとう。よければ名前を教えてもらえるかな。」
ギルドカードを見せながら気になる事聞いてみる。
「行方不明って何人ぐらい出てるんですか?」
「ああ、ここ1月で60人ぐらい出ている。捜査が難航していて、手がかりが無かったんだよ。」
あまりにも、内容が不自然なので思ったことを伝えてみる。
「あの・・・、生意気かも知れないけど聞いてもらえますか?」
「いいよ、言って見なさい。」
「では、いま捕まえたのがたぶん運ぶ運搬人、なら誘拐していた実行者、隔離する大きな拠点の管理者、世話する係り、運んだ先の受取人、その先の買取人、そいつらの護衛と最低これくらい関係者がいるはずです。今捕まえたやつを拷問でもかけて、夕方までに、この都市の中の奴らと、運んだ先の奴らを捕まえないと逃げられますよ。こういう奴らは逃げ足がとても速いから。あと、最初の人たちが連れて行かれてから単純20日経っているから急がないと他国に逃げられますよ。
そうなったら、手遅れになりますよ。」
「分かった!すぐ手配しよう。」
ギルドカードを返してもらい、警備の人が走って戻り合流してあわただしく去っていく。それを見送り改めて入場の列に並びなおしました。
10分ぐらいすると、馬に乗った騎士風のひとが30人ほどかけて行った。たぶん馬車の向かうはずの場所に急行したんだと思う。
審査の時、母さんとアマリリスの分の入場料が無料になりました。人助けはするもんだ。
ステータスでの数値は、普通の大人で、20~40の間で設定しています。ライトは、気や魔力操作しているので、その分の補正分と、装備の補正分が入っていないステータスになります。
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