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この回は、15歳の少し手前で起きた事です。
12話  龍の里
 身長も伸び、いまでは160cmになりました。2年前から一緒に生活している、アマリリスが召喚でアンデットを使役出来るので、木刀を持たせて多対1の戦闘訓練をしている。

 アマリリスといえば、毎朝起きると必ず俺のベットに入っているのは何でだ?昨日は、胸の谷間で、窒息死しそうだった。
 それに人としての、生活が新鮮らしく、特に食事にはなみなみならない興味があるらしい。リッチだと、そのまま摂取か、生命力吸収で手なんて加えない。今は味覚が有り、食材を調理してさらにおいしく食べれるのに驚き、調理法をどんどん覚えていってる。俺と同じくらいの料理の腕に、この2年でなったのはびくりした。

 召喚された、スケルトン達がとても生活に役立ってくれている。家事全般と、燻製作業、塩精製、など簡単な作業や、頭を使わない事はスケルトン達がどんどんやってくれる。とても助かる。

 そんなある日異変が起きた。

 最初は、ラナ母さんが食事を残し、元気が無かった。母さんは「ちょっと疲れているだけ。」と言っていたが心配です。

 夕食は、母さんの好きな味付けの肉と、滋養たっぷりのおいしいスープにしたが、半分も食べられなかった。

 翌日、母さんが起きることすら出来なくなっていた。おかしい。

 目は開けるが、『大丈夫』と言う念話が弱弱しい。

 母さんに断わり、魔力で状態を調べてみたが、毒ではない。肉体も骨、内臓、筋肉どこにも異常が見当たらない。

 おかしいのは、生命力や、活力の様な物で少しづつ弱っていってる。

 嫌な予感がする。

 前、母さんから聞いた話では、母さんの年齢は270歳で、まだ寿命の半分も経っていないはずが、エルフの村の老人が亡くなる前の穏やかな状態のときと、感じ方が近い。

 たぶん寿命前に、命が尽きようとしているのではないかと思う。

 アマリリスも、こんな事は見たことが無いと言っていた。

 考える。

 誰なら治せる?・・・分からない。

 なら、誰なら、この状態を説明出来るか、対処の仕方を知ているか?・・・長く生きた龍なら知っているかも知れない!
長く生きた龍はどこに居るのか?・・・龍の里なら長く生きた龍か、物知りの龍が居るのではないか?

 ほんの少しの光が差した気がした。

 このままのペースで、3日は保つはず!

 アマリリスに、龍の里に行って来る事と、母さんの看病を頼みそのまま飛び出す。間違いなければ、約1万km音速で9時間掛かるはず。

 今は、夕方になっている、仮眠を入れて明日の朝の内に到着の予定である。

 真夜中まで、ぶっ続けで飛び続け、下に降り、乾燥肉と果物で食事を簡単に取り、黒セラミックでドームを造り仮眠した。

 少し寝た後、果物を食べながら飛び立つ。

 暗い内に、眼下に山が遥か先まで連なる地域に到達。

 下降して、通常の飛行に切り替え、探査の魔法を発動させる。今なら2km先までなら感じることが出来るので、龍たちを探し始める。

 3時間ほど飛び回ると、完全に夜が明けたあたりで、探査の魔法のはじに母さんと同じ魔力を感じた。

 龍の反応した方角に向きを替え飛ぶと、残り1kmほどで相手側の方から10体ほど飛び上がってくる。今のところ、里の反応は150体ほど生活している見たいです。

 残り50mほどまで、近づくと飛び上がっていた10体の龍のなかで、赤色をした一番大きな龍が念話を飛ばしてきた。

『人間、ここは龍の里である。人間ごときが近づくな!』

 空中に静止し、里を観察する。里は、500mほどの盆地を山が囲み、その山々に横穴が開きそこが生活の場になっているのだろう。

 ここで思い出す。昔母さんが少し話してくれたこと。龍の過去。

 1万年前、龍は10万体を超えるほどいたそうだが、その傲慢さ、プライドの高さ、協調性の無さ、スペックの高いことが災いし、強い魔物の個体に数を減らされ、今は、大陸に300体いるかどうかまでに減った種族。言葉の端から、母さんが龍という種族自体はあまり好きでないことが感じられた。

 この赤色龍は、そんな龍の典型なのだろう。

 それでも、母さんを助けるために、用件を伝える。

『俺は、エルフの国に住む白龍、ラナイアウェルに育てられた、人族のライトと言います。母さんがどんどん衰弱しているので、長老さんか、年配の龍に対処法か治療法を教えてもらいにまいりました。どうか、通してもらいたい。』

 赤色龍が決定的な一言を言う。

『だめだ、だめだ!なんびとも入れることは出来ん!それに、人間など拾って育てる、頭のおかしい龍など、どうなろうと我等の知った事ではないわ!!』

 10本ほど何かが切れた。

 体に気を最大に巡らせる。一気に音速に切り替え、赤トカゲの腹にドロップキックを叩き込む。

 ドウウウーーーン!!

 腹の肉が歪む音とソニックウェーブの音が重なる。尻尾を掴み、後方に飛ぶ力のベクトルを体術で下に変えて、盆地の地面に叩きつける。その前に音速に移行し、追いかけ赤トカゲが地面に叩きつけられた瞬間に、気と全体重と音速に達した膝を、赤トカゲの肩に突き入れる。赤トカゲの肩の皮、骨、筋肉を皮1枚残してぶちぶちと膝が断ち切る。

 ガアアアアアアアアアアーー!!

 赤トカゲが痛みで吼えるが、邪魔!!

 回し蹴りで、踵を赤トカゲの横面に叩き込む。

 ドコンン!!!

 意識が完全に飛んだ様で、静かになった。この間5秒です。

 最初、上がってきた龍の残り9体は、最初のソニックウェーブで飛ばされたが、俺の周り10mを囲むように降りてきた。周りの穴からも龍たちが出てきて、ガーガー騒いでいる。

 念話で、『殺せ』『ゆるすな』『思い知らせ』『仇をとれ』『人間風情が』などが飛んでくる。

 失望と共に、俺を拾ってくれたのが龍の中のラナ母さんであった事の奇跡に感謝した。

 たぶん赤トカゲはこの里で強いほうの固体だろう。その固体を数秒で倒せる、なおかつ制限付きなのに。こいつらは、相手の力量も測れない、仲間がどんな状態なのかも分からない生き物なんだ。

 イライラが募る。

 そして、全方位に最大魔力で念話を飛ばす。

あまりにも長くなりそうなのでここで前半にします。この主人公の大切な心を描くので、しっかり描きたいとおもいます。


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