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転生から8年の歳月がたっています。年数を飛ばしているのは、設定として中世の世界なので、成人していないとイベントが起きても対処の仕方に無理がおきるため、早く成人させようとしているからです。
6話  体に必要なもの
 最近少し物足りない事が有る。料理の味が薄い。いろいろ原因があるのだろうが、栽培法と流通と魔法が原因の大半だと思う。

 この世界は、便利な魔法や、加護してくれる神様がいることで、そこに生きている生物の向上心や、疑問に感じる心にストッパーが掛かっているとおもう。現に、同じように時を重ねてきたのに、片や中世社会、片や全世界に広がりニューロンの世界から外銀河まで知覚できるまでになった高度情報化社会。
 現代を想像してみれば、すぐ理解出来ると思う。魔法が今の現代にあれば、良いことだけに使用すれば、太陽系外に最低でも人間は進出している。たぶん現実は、戦争や犯罪で、一旦、文明が退化その後、いっきに外宇宙パターンか、退化したまま魔法文明で科学がなくなるかだと思う。魔法便利すぎだから。

 話がそれたね。まとめると、魔法が有る、生産が増えない、経済が育たない。ッて感じかな。ほかにもいっぱい理由は思いつくけどね。

 そんなんで、調味料の充実を決心した。

 母さんが白龍だから、肉食メインになるのはしょうがない。しかし、せめて、塩味、胡椒、にんにく、唐辛子がほしい。

 エルフの村の雑貨屋には、はちみつ(甘味)1kgで1000C、塩1kgで1万C(金貨1枚)の値段が付いていた。塩がくそたけー!!

 町で、家族3人の食費が500Cだと思えばこの塩の高さを実感で切ると思う。

 岩塩鉱山は無いし、内陸に450kmもはいっていれば運ぶだけでも一苦労なのは分かる。

 お金は、結構もっているが、それでも無駄遣いはよくない。覚えているかな、黒セラミックの生活品。最近は、近隣の村や近場の町にも流れていってるみたいで、売れる量が雪だるま式に増えてきている。昨日雑貨屋に行ったら、ライト式生活雑貨とネーミングされてた。それに、店舗が増築していた。なんか、腑に落ちない。
 まあいいや、それで、今の手持ちは約300万Cほどもっている。8歳にして日本円で3千万円て、すごすぎる。造った量も半端無いけど、いい事もあった。魔法の正確さと、早さと、並列思考の訓練になり、今では3つの魔法を同時に展開できるようになった。

 また話がずれてしまった。

 ということで、まずは塩から取り掛かることにした。


 さてと、まずはラナ母さんから説得。

『母さん、お肉もっとおいしく食べたいけど、材料が少なくて・・・。』

『あら、何が足りないの?』

『始めは塩なんだけど・・・』

『そうねーー、塩は手に入りに難いものね』

『だからね、海にいって造りたいんだけど、手伝ってもらっていい?』

『ええ、良いわよ。』

 簡単に釣れた。最近は、俺が料理した肉を味見してもらっているので、ラナ母さんはグルメ化してきている。

 明日から2日かけて塩の調達に出かけることになった。



 早朝、長老さんに2日ほど留守にすることを伝えていざ出発!

 今日は、長距離の飛行なので、母さんのてに乗せてもらっています。途中で休憩を挟んで、5時間くらいもうそろそろお昼です。距離的には4分の3ほど飛んでいるので、ここらで昼食にすることにした。

 場所を探していると、下から戦闘の気配がした。確認すると、5人の冒険者風の人が魔物と戦っていた。5人の内1人は戦闘不能のようで、倒れている。後の4人も2人重傷2人軽症って感じ。かなりやばい。

 すぐに助けることにする。

 母さんの手から飛び降りて、魔物に向かって加速しながら突っ込んでいく。魔物を確認。紫色した2.5mの4本鎌を持った蟷螂が3体。

 先に空中からことわりを入れておく。間違って攻撃されたらたまらないし。

『空から、援護する!』

 一瞬、冒険者たちと目が会う。が、時間が無さそうなので、一瞬で決めることにする。着地の直前に魔法発動。

「<絶対零度>!!」

 両サイドの蟷螂に、氷の魔法を放ち、そのまま真ん中の蟷螂の首元に着地。前のめりになった所を2本のナイフで首を刈り取る。

 あとは、凍付いている動かない両サイドの蟷螂の首を刈り取り。終了。話しかけてから5秒でした。

 あれ?なんでみんな固まっているんだろう??

 それよりも治療しないと!

「この世の理を越えて、かの者に再生と回復の力を与えん!<光の祝福>!」

 重傷者順に回復させていき、全員の傷が癒えた所でリーダーみたいな人にお礼を言われた。このパーティーは、エルフの軽戦士リーダー、エルフのアーチャー、エルフの女性で魔法士系、狼の獣人で剣士、虎の獣人の女性で格闘家みたいです。

 ここでは、また魔物に襲われるかもしれないので、もっと開けた場所に移動することにした。ラナ母さんを呼んで、5人の護衛を兼ねて蟷螂を運んでもらう。うちの母さん見て、また5人が固まった。なぜ?

 移動中に右手奥に熊の気配、良し!昼飯!

 俺だけ離脱して、熊のほうに向かう。

 いた!この世界に来たときに俺を襲ってきた熊の魔物でした。狩開始。

 身体全体を気で強化し、背後から接近、もちろん気配を消す。ジャンプ!後ろ首に着地と同時にナイフを首のまえにクロスにあてがい、後ろに首の骨を踏み抜きながらもう一度ジャンプ。着地!10.0!なんてね・・・。

 ドウッ!!!

 いくら熊でも、首の3分の2と頚動脈プラス、首の骨骨折では生きていられない。

 身体強化したまま、熊の両足を肩にかついで母さん達のほうに引きずっていく。さすがにもちあげれない。

 森を抜けたところで母さんたちが、解体作業をしていた。先にほしいパーツはとっておきな。自分のほうは肉が有ればいいといってあるので、冒険者さん達は、鎌の部分と、甲殻、羽根を採取しているみたいだ。

 母さん達に走りよっていくと、また冒険者さん達が固まった。この人達は何がしたいのだろう?

 熊も肉以外のほしい部位(角、爪、歯、毛皮)を採取させみんなでお昼にした。

 冒険者さん達は、鍋に水、乾燥肉削り、小麦粉?入れてとろみを付けたスープに硬いパンだった。

 あんまりだから、少し待ってもらって熊肉の焼けた香ばしい部分を切り取って鍋に入れてやり、香草で臭いを消して、芋を剝いて中に投入。塩味が足りなかったので塩を追加。少し煮込む。

 この間に、土魔法でセラミック板を作って、かまどにセット熊の内臓を、魔法で出した綺麗な水ですすぎ、適当な大きさに刻んで準備。熊の脂肪であぶらを引いて、炒める。香草の刻みと塩加減を調整しながら、炒めて終わり。

 母さんは火に蟷螂と残りの熊を串(木の枝けっこう太い)にさして串焼きにしていたので、塩と香草をまぶしてあげた。

 自家製熊ホルモン炒めを勧めたがなぜか、手を出そうとしない。まあいいか。俺と母さんでパクパク食べてると、ちらちらこちらを気にしているようなので、再度薦めてみる。今度は恐る恐る手をだしてきて、口に入れた。みんな目を見開いていてまた固まった。世間の流行は、固まることか?

 それからは、冒険者たちのホルモンを食うスピードがすごかった。

 母さん、息子が余所見している内に、ホルモン焼きの心臓と肺の部分をかっさらうな!!

 蟷螂が程よく焼けてきて香ばしい匂いが立ち込めたので、好奇心で足を1本もらった。殻を割って食べてみると、香ばしいささみ肉のようだった。塩を振って食べると結構旨い!

 冒険者さん達がこちらをジーーーと見ている。

 母さんに上げても良いか聞いてみると、OKだったのでみんなに1本ずつ塩をふってあげた。みんな意外そうな顔をしてガツガツ食べていた。

 冒険者がどんな食生活をしているのか不安になった。

 食べながら話していると、新しい事が結構聞けた。
 エルフの国の中央にある首都には、世界樹があり、その根元に神が創った迷宮の一つがある事、冒険者ギルドが有り大陸規模の共通組織である事、この冒険者のパーティーは首都を拠点に活動している事、ラナ母さんは、エルフの国では<聖白龍>と言われて冒険者なら、みんな知っているなどでした。

 「すげー・・・。」

 て母さんを見たら、焚き火に蟷螂の頭3個、熊の頭1個、蟷螂の胴体3体に熊の胴体1体を串に刺してキレイに焼けるように炙りながら、どんどん食べる、足を前に投げ出して座る白い龍の姿が・・・。

(俺の尊敬の気持ちを返して・・・。)



 冒険者さん達に、これからもホルモンを食べるなら、鮮度に注意すること、臭み消しの香草を持っている事、塩を用意する事、栄養価は高いが毒持ちの魔物のホルモンは気をつける事など教えておいた。

 さて、出発です。

 冒険者さん達がぶんぶん手を振っています。結構楽しい方たちでした。

 一路海に向かって飛び立つ母さんと俺でした。
塩にたどり着けない。


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