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【コラム】

中日春秋

 生きているのか、死んでいるのか−。「あしたのジョー」の最終回。コーナーの丸椅子にうなだれて座るジョーはかすかに笑っている。あの最終回が、「少年マガジン」(一九七三年五月十三日号)に掲載されて四十年になる

▼ちばてつやさんは「何とでも、とれるように描いた」という。どちらでもいい。ジョーは判定で負けたが、「真っ白な灰になるまで」戦った

▼二十五日は「憂国忌」との言い方もする「三島忌」である。七〇年のこの日に三島由紀夫は自衛隊市ケ谷駐屯地で割腹自殺した。三島もジョーのファンだった。『昭和45年11月25日』(中川右介著・幻冬舎)に教えられた

▼ある日、三島はマガジンを買い忘れた。ジョーの続きをどうしても読みたかった三島は深夜、編集部にやってきて一冊売ってくれないかと頼んだ

▼死をもって主張を貫いたともいえる三島の自決に対し一種の焼身自殺で是認できないと書いたのは吉行淳之介さんだが、ジョーと三島の最期ならどっちが美しいかと考えてしまう

▼特定秘密保護法案が二十六日にも衆院を通過するという。民主党はどうするのだろう。政府・与党を批判し、悔しいと泣いて終わりか。仮に衆院を通過しても成立までには時間が残っている。みっともなくてもボロボロになろうと、「知恵」のパンチを出し続けなければならぬ。潔い幕切れなぞ見たくもない。

 

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