アラフィフ女性:モテモテって本当? 元気な「バブル流」が日本を救う

2013年11月25日

 セクハラという言葉もなかった。「今の若い人なら『セクハラですよ!』と突っ込みそうな男性の冗談にも眉をひそめず、上手に笑って受け流す。だからアラフィフ女性となら同年代の男性も気兼ねせず、会話を楽しめるのでしょう。あの余裕には憧れます」とは、同社PR担当の石井洋子さん(34)だ。

 女子力が磨かれた背景には、皮肉なことに「女性差別」もあったようだ。内山さんは「86年に男女雇用機会均等法が施行されましたが、当時は社会に浸透しなかった。高学歴で能力があっても会社では雑用ばかり。だから自分の存在意義や評価軸を『女らしさ』『モテ度』においた人も多かった」とみる。とはいえ20〜30代の女子力だって低くない。何より「若さ」が武器になると思うが……。

 「そうではありません」と力を込めるのは出版社勤務の35歳男性だ。20代で離婚を経験し、33歳で飲み会で知り合った40代後半の証券会社勤務の女性と再婚した。「前妻は同い年で共働きでした。お互い忙しく、何となく弱みを見せられない。愚痴をためこんでギスギスして。今の妻はお姉さん的な存在で安心して弱みを見せられる。先行きの見えない時代。収入も貯金も僕よりずっと多いから心強いですね」。女性としての魅力はどうか。「若い女の子には刺激を感じなくて。妻は社会人経験も長いから、いろんな物事を知っていて人脈も豊か。話していて面白い。服装やスタイルにもすごく気を使っていて女子力は高いですよ」とノロケてみせた。

 打算的にも映るが、高額の収入や貯金といった経済力はポイントの一つのようだ。牛窪さんも「若い男性は右肩下がりの時代しか知らず、低賃金や非正規雇用も増えて不安が高まる一方。だから経済力のあるアラフィフ女性は頼れる存在なのです」。ちなみに先の「GOLD」の想定読者層の世帯年収は2000万円以上。ブランド物や高級外車の紹介記事が並ぶ。出版不況の中、創刊号は11万部を発行した。観察日記を書く「育成女子」の出現も豊かな懐があればこそなのだ。

 もっとも絶賛の声だけではない。「素晴らしい人がいる一方、『イタい』人もいらっしゃいますね」。昨年発足した社団法人「日本合コン協会」代表でタレントの絵音(えのん)さん(30)は言う。豊富な合コン参加経験を生かし合コン企画会社を運営。多数の恋愛本も執筆している女性だ。

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