GDPとは、生産=所得=支出の三面等価の原則が成り立ちます。そして、名目GDPとは、生産の面で見たときに、財(サービス)の数量と価格で掛け算した数値であると考えられます。
・財(とサービス)の数量
・価格変動
上記の両方が数値に反映されるのが、名目GDPです。
一方で、実質GDPとは何でしょうか?
これは、名目GDPから価格変動を除外したGDPです。インフレの場合、物価上昇が10%もあれば、物価上昇分は決して豊かになったわけはないので、その分を除外したほうが人々の生活を表す指標として望ましいということです。給料が10%上がったとしても、物価も10%上がっていたら意味が無いからです。
しかし、上記の前提は「インフレ」です。もし、デフレの場合はどうなるのでしょうか?
財・サービスの数量が「全く」増えずに変動がゼロだったとしても、物価が2%下がれば、なんと2%も実質GDPが「成長した」ことになってしまうのです。これは、人々の実感値とは全く異なりますね。
小泉内閣の時は、輸出数量が増えました。しかし、それと同時に、輸入物価(輸入デフレーター)が上がりました。そのため、輸出の数量が増えた割には、純輸出の金額は増えませんでした。
※参考(過去の記事)
輸出主導の成長に対する懐疑
また、小泉内閣の時には、デフレ脱却することはありませんでした(物価は下がり続けました)。庶民の給料も下がり続けました。
よって、小泉内閣は「いざなぎ景気を超える景気回復、いざなみ景気だ!」などと言われましたが、その原因は、下記の①と②だったということです。
①名目GDPではなく、実質GDPでみているから、物価下落分だけ下駄をはいていた
②輸出の数量が増えていた(実質GDPはあくまで数量が重要になる)
庶民は、輸入物価が上がれば生活が苦しくなります。食品は小麦粉や乳製品は輸入が多いですし、地方は自動車を使う機会が多いので、ガソリン価格高騰は生活を圧迫します。
こうした庶民の苦しみが全く反映されず、「戦後最長の景気回復だ!」「小泉さん万歳!」などと言っていたのが2006年ごろの日本なのです。
輸出が増えれば、たとえ輸入物価が上がったとしても、設備投資が増えるメリットはあります。しかし、90年代と比べたら、微々たる増加でしかありませんでした。
要するに、小泉内閣の時の景気回復とは「詐欺」だったのです。
安倍内閣は、この詐欺を繰り返そうとしています。まだデフレは継続しているのに、「実質」GDPが好調だと強弁して、消費税増税の蛮行に及びました。
よく、「バブル崩壊で日本経済は崩壊した」などと言われます。本当なのでしょうか?確かに、バブルの崩壊によって企業や金融機関がバランスシート上の問題を抱えたのは事実でしょう。
しかし、バブル崩壊後の91~95年も、名目GDPの成長は継続しました。
また、住宅投資はそこまで減っていませんでした(下記ブログ記事参照)。
※参考(ひろのひとりごと)
デフレで消費は減らない?買い控えは起こらない?
上記ブログ記事やグラフを見ていただけるとわかりますが、住宅投資が顕著に減少しているのは、消費税増税後の97年以後の話です。名目GDPが増えなくなったのも97年以後の話です。
もちろん、消費税の増税だけではなくて、歳出の削減やアジア通貨危機、山一證券や北海道拓殖銀行を見捨てて倒産させたなど、様々な要因があったのは事実でしょう。
しかし、日本のGDPの50%以上は個人消費なのですから、ここに大打撃を与える消費税の増税こそ、最も大きなダメージだったのではないかと私は考えています。もしアジア通貨危機が原因ならば、2000年代も名目GDPが(ほとんど)増えていませんが、2000年代に入ってもアジア通貨危機が継続したということでしょうか?
2014年4月の8%への増税と、さらに続く10%への増税で、日本経済はどうなってしまうのでしょうか?肝心の安倍総理は、「デフレは貨幣現象だ(だから、金融政策で何とかなる)」とアホ丸出しの経済理論なので、2014年の後半から日本経済が奈落の底へ突き落とされてもおかしくはないわけです。財政出動で手当てすることは望めないでしょう。
詐欺の景気回復で国民をだまし、国民を不況の底へ突き落とす。
この安倍政権は何としても倒さなければならないでしょう。