サムスン電子が自社の標準特許を侵害されたとしてドイツで米アップルを訴えた訴訟が、裁判所により中断された。
ドイツの特許専門ブログ「フォス・パテンツ(FOSS PATENTS)」によると、マンハイム地裁のアンドレアス・ボス裁判官は22日「サムスン電子が侵害されたと主張している第3世代移動通信(3G)に関する標準特許は無効の可能性がある。無効かどうかに対するドイツ連邦特許裁判所の判決が出るまで裁判を中断する」と発表したという。
この決定により、サムスン電子がドイツで起こしたアップルに対する標準特許侵害訴訟は全て中断されるか、またはサムスンの敗訴で終わることになった。サムスン電子は2011年4月と12月の2回にわたり、標準特許に関する訴訟5件を起こした。このうち3件は「アップルは特許を侵害していない」とする判決が出され、サムスンが敗訴。残りの2件の裁判が中断された。
米経済誌「フォーブス」はこの決定について「特許訴訟でアップルがしばしばサムスン電子に打撃を与えたのに対し、サムスンはアップルにほとんど打撃を与えられずにいることを示している」と報じた。
一方、商用特許で攻勢をかけるアップルは22日、米カリフォルニア州連邦地裁の陪審から「特許を侵害したサムスン電子がアップルに2億9000万ドル(約290億円)を追加で賠償すべき」とする評決を勝ち取った。