猪瀬知事:徳洲会関係者「猪瀬氏1億円要求」 本人否定
毎日新聞 2013年11月23日 23時24分(最終更新 11月23日 23時41分)
東京都の猪瀬直樹知事(67)が医療法人「徳洲会」グループ側から5000万円の資金提供を受けていた問題で、現金を渡した徳田毅(たけし)衆院議員(42)が「猪瀬氏側は1億円を求めている」と父の徳田虎雄前理事長(75)に伝えていたことが、徳洲会関係者への取材で分かった。猪瀬氏は「こちらから要請した事実はない」と否定している。
猪瀬氏は昨年11月6日、神奈川県鎌倉市の病院に入院中の虎雄氏と面会し、都知事選出馬のあいさつをした。徳洲会関係者によると、その後、徳田議員が病院の虎雄氏に電話し「猪瀬氏が1億円を求めている」などと報告。虎雄氏は5000万円を渡すよう指示したという。虎雄氏は全身の運動神経が衰える筋萎縮性側索硬化症(ALS)で声を発することができず、やり取りは秘書役を通じて行われた。
5000万円は同月下旬に東京・永田町の衆院議員会館で徳田議員から猪瀬氏に手渡されたという。猪瀬氏は、今年9月に徳洲会グループが公職選挙法違反容疑で東京地検特捜部などの強制捜査を受けた後、秘書を通じて5000万円を虎雄氏の妻に返却した。
猪瀬氏は22日の記者会見で「(資金提供の)申し出があれば、それを断るのは失礼だから、とりあえず預かって、でも必要ないということでお返しした」と説明していた。
23日には、都の総合防災訓練が行われたあきる野市内で報道陣の取材に応じ「金額を要請した事実は100%ない」と強調。記者から「徳洲会側から貸したいと申し出があったのか」と問われると、「貸してくれるということは、そういうことですよね」と応じた。
「個人の借金という説明が通じると思うか」との質問には、「選挙の責任者や会計責任者に話していないので、個人の借金だと認識している」と繰り返した。【島田信幸、川口裕之】