先週末、バラエティ討論番組の収録にいってきました。ニッポンのジレンマに出たり、CMに出たりしてますが、バラエティは生まれて初めて。正直、全然うまくいかなかったので反省として残しておきます。放送は年末あたりですので乞うご期待。
「割り込み」は当たり前
まず改めてびっくりしたのは、他人の発言に「割り込む」のが前提になっていること。ニッポンのジレンマではそんなことはなかったのですが…。かぎられた時間というのをみな理解しているのか、他人の発言をブチブチさえぎって進行します。声が大きい人が勝つ感じですね…。
リアルタイムに驚いてしまったのですが、こういうコミュニケーションは、ぼくはマジで人生ではじめて経験した気がします。このバラエティ独特文法に慣れなければいけないというのは、ぼくを含めて多くの方がつまずきそうなハードルです。いやー、洗礼を受けた気分です…。
批判>自己主張>他者理解
また、番組づくりの性質上なのか、みなさん前提として他人に対して批判的です。図式的にいえば、「批判>自己主張>他者理解」という順番。
ぼくがよく参加する場は「他者理解>自己主張>批判」という感じなので、けっこう戸惑いました。悪気はないのはヒシヒシ伝わってくるのですが、みんなまず「批判」から入って、なんとも攻撃的だなぁ…と。
短い時間で自分のポジションを明らかにするためには、他者理解を上手く示すよりも、批判的な態度で、噛み合っているかどうかは別として、自己主張を展開した方が効率がいいのでしょう。この「場の力学」についても洗礼を受けた気分です。
「笑い」に寄り道する
討論の途中でしばしば「笑い」に流れていくのも、討論バラエティの独特の文法です。ニッポンのジレンマでは、ほとんど見受けられませんでした。。
こなれた出演者の方ばかりだったのですが、みなさんしっかり「ウケ」を狙うタイミングを理解し、サクッと笑いを取りにいっていました。うーん、すごい…。当意即妙なギャグセンスがあると、バラエティ受けするんでしょうね。こちらもぼくにはないスキル…。
ぼくはマイノリティだな…
ディベートっぽい感じの番組だったのですが、立場的にぼくは見事にマイノリティの方に位置する結果となりました。
日ごろからぼくは一般的な主張はしていないつもりだったので、改めて、自分の立ち位置を再認識できました。悪口を言うわけではないですが、マスメディアに出演する芸能人の方は、やっぱり大衆寄りの考え方だと感じます。まぁ、当たり前といえば当たり前ですね。
練習が必要!
というわけで、文法がかなり独特で、ほとんど「演技」させられている気分になりました。出演者の方々は、ほとんど役者のような立ち振る舞い。いや、自然体で臨むとかそういうレベルじゃダメですね…。
ぼくの哲学として、「何事も練習しないとうまくならない」というものがあります。文法がかなり独特なので、疑似体験できる場を自分でつくって練習するか、実践を何回か(100回くらい…?)積んで上手くなっていくしかない気がします。
とはいえ、バラエティ番組に出たいというこだわりはそんなに強くないので、この技法の習得にはそれほど時間を掛けるつもりもなかったり…もしも上手くなることがあるとしたら、下手なりに「ぶっつけ本番」を繰り返して上手くなっていくんだろうなぁ、と諦めてしまっています。
イメージ的には、ぼくはクラシックの打楽器奏者なのに、今回はジャズセッションでドラムスを叩いてください、と言われているような感じ。確かに同じ音楽ですが、文法が違うのでいきなりは難しいですね…。
ギャラはそんなに高くない…
最後に、気になるギャラについて。よく言われることですが、芸能人やアイドルでもないかぎり、テレビはそんなにギャラが高くありません。今回は打ち合わせ・本番・移動・交通費のもろもろを含めて「3万円」でした。時給換算すると3,000〜4,000円という感じ…。
ぼくは仕事をいただく場合は、基本的に時給1万円で動いているので、正直コストパフォーマンスはよくありません。心労や編集によるイメージリスクもあるので、この値段だと出ない方が賢明なんだろうなぁ…次回、同じ条件でオファーが来たらかなり迷うと思います(ちなみにギャラは事前ではなく、当日楽屋で伝えられました。次回からはオファーが来た時に聞くようにします)。
なんにせよ、非常によい体験ができました。こういう機会はなかなかありませんからね。機会をくださった関係者のみなさま、ありがとうございます!