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政治
【社説検証】竹富町の教科書 「是正要求は当然」と産読 朝東は「国の介入」と批判
教育委員会などについて定めた「地方教育行政法」は、教科書採択権限は各教委にあるとしている。竹富町教委は同法を独自採択の根拠としている。産経は「市町村が組んで採択する場合のルールは無償措置法が優先すると考えるのが自然だ。竹富町の言い分は通らない」という。だが、東京は「地域に根差した教育行政の担い手なのだから与えられてしかるべき職務権限だ」と町教委を支持した。朝日は「根本の原因は二つの法律の矛盾にある」とし、やはり「竹富町が一方的に間違っていたとはいえない」と論じた。
毎日は「法の不備に今回の混乱の一因があったというべきだが、それだけが本質的な問題ではない」とし、個別採用は非効率的など現行の「広域採択の理由とされてきたものが、必ずしも合理的ではない」と指摘して、「法を改めて『再発防止』を図るよりも、それぞれの現場に根差した採択のあり方を熟慮、熟議する契機とすべきではないか」と呼びかけた。
八重山採択地区協議会が育鵬社の教科書を選択したのは、「尖閣諸島を抱える石垣市などの地域性を踏まえ、日本固有の領土に関する手厚い記述を重視した結果だ」(産経)。だが、「国旗・国歌や日本の伝統文化にもページを割いている育鵬社版に対しては、沖縄県内で反発がある」(読売)。竹富町の独自採択の背景にはこうした事情があるとみられるという。この点について、朝日は「竹富は基地問題、他の市町は領土の記述を重視したという。どちらも沖縄には切実な問題だ。そこへ国が口をはさめば、結果として教育の政治的中立を危うくしかねない」と批判した。
文科省の指示を受けた沖縄県教委は先月下旬の定例会議で、竹富町の教科書について話し合ったが、是正指示するかどうかの判断は「先送り」した。同町教委が態度を改めるかどうか、なお、先行きは不透明だ。(内畠嗣雅)
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