2013年11月24日(日)

戸田男性殺害　頭部と顎が骨折、全身十数カ所に傷

荷物を運ぶ鑑識捜査員＝２３日午後５時半ごろ、戸田市喜沢１丁目

　戸田市喜沢１丁目のマンション一室で韓国籍の職業不詳、朴光好（ボク・ミツタカ）さん（６６）が殺害された事件で、朴さんは遺体が発見された２１日午前に死亡し、打撲の傷とみられる頭部と顎が骨折していたことが２３日、捜査本部への取材で分かった。２２日の司法解剖の結果、全身に骨折や打撲の十数カ所の傷を確認したが、死因の特定までには至らず、捜査本部はさらに詳しく調べている。

　県警が２２日朝に覚せい剤取締法違反（使用）の疑いで逮捕し、朴さんの殺人事件について何らかの事情を知っている可能性があるとみて聴取する方針の戸田市の男（４３）は、朴さんの数十年前からの交友者。捜査本部によると、朴さんの関係者の一人として事情を聴いている際、喉の渇きを訴えるなど不審な様子が見られたため尿検査を実施したところ、男から覚せい剤の陽性反応が出た。朴さんの殺人事件について、男は「知らない」と話しているという。

　捜査本部によると、床の上に倒れた朴さんの体には消火器を噴霧した消火剤がかかっていたが、素手だけで殴ったとは考えにくい傷もあり、捜査本部は他に見つかっていない凶器があるとみて調べている。現場から見つかった空の消火器は、マンションに設置されていたものだった。

　また、朴さんが１１月に窃盗被害に遭い、同１２日に蕨署に被害届を出していた事実も判明した。１１月に入って自宅を数日間留守にした際、テレビなど電化製品を３点ほど盗まれていた。捜査本部によると、当時、朴さんは「帰宅時、玄関は施錠してあった」と話したといい、何者かが合鍵を使って室内に侵入した可能性もはらんでいる。

　捜査本部は、朴さんが死亡したとみられる２１日朝、朴さん方付近から物音がしたとの近隣住民の情報をつかんでいる。朴さんの携帯電話の履歴や、借金の有無、交友関係などとともに、事件に至る経緯を詳しく調べている。

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