コンビニ強盗、店員の説得に泣いてもうた「子ども、おるんか？」

　大阪市西成区津守のコンビニで２３日未明、若い男が強盗に入る事件があった。だが、５２歳の男性店員が犯行を思いとどまるように説得、男は涙を流して手にした凶器を捨てた。西成署は、強盗未遂の疑いで同区のアルバイト・田島忍容疑者（２２）を現行犯逮捕。店員にけがはなかった。

　同署によると、事の起こりは２３日午前０時過ぎ。ジャンパーのフードを深くかぶった田島容疑者がコンビニに現れ、包丁を手に「金を出せ」と店員を脅した。マスクやサングラスなど、顔を隠すものは付けていなかった。

　店員は「頼むからやめてくれ」などと必死に説得。５分ほど押し問答をしているうちに、田島容疑者がしくしく泣き出した。その様子を見た店員が「子ども、おるんか？」と聞くと、容疑者はさらに大粒の涙をこぼした。この言葉が“決定打”となったのか、田島容疑者は自ら包丁をコンビニのカゴに入れ、完全に観念。無抵抗のまま店員に取り押さえられ、駆けつけた警察官に引き渡された。

　田島容疑者は西成区内で妻と幼い子どもの計３人ぐらし。凶器の包丁は自宅から持ち出したもので、自宅から一番近いコンビニで犯行に及んだという。同署の調べに「生活に困ってやった」「家族を養う生活費が欲しかった」などと供述している。

（2013年11月24日06時03分  スポーツ報知）

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