さてさて、複数の方から卓球ラケットの木材について質問がありましたので、
それでは木材の勉強会を開きましょうか(笑)。
随分前ですが、卓球王国で木材などに関する記事がありましたので、
それを参考に書いていきたいと思います。
和材は皆さんも見れば「ヒノキだ!」「シナ材はショボいなあ」「柳はカット用」など、
すぐに分かると思いますが、
その中で上板に使われない唯一の和材が、桐です。
中芯のみに使われ、特徴としては非常に軽く適度に弾み、
また大量に生産されるので、安価に入手できるという利点があります。
その代わり、「ガスガス」という独特の嫌な打球感や、
吸湿性が高く狂いやすいため、長年使用すると非常に重量が変わるといった欠点があります。
言ってしまえば桐は、バルサの和材バージョンとも言えるわけで(;^_^A、
皆さんバルサだったら使いますか?使わないでしょう。
僕は、桐を使ったラケットをよいとは思いません。
併し、世の中にあるラケットの半分近くは、桐を中芯に使用しています。
桐を中芯に厚く取ることで、軽量化できなおかつ弾みを稼ぎ、
コストを安く抑えられるということで特にバタフライ、ニッタクは桐を多用しています。
ただ、そうした桐を中芯に持つラケットは、打球感が悪く中芯が厚いため、
球離れが早くなって球威が落ちます。
桐を使ったラケットで代表的なのは、バタフライではティモボルスピリット、
プリモラッツカーボン&シュラガー、孔令輝スペシャルなど。
勿論、球威は重量にもよるのでシュラガーなどは流石にパワーがありますが、
よく言われるのは「孔令輝スペシャルの球が軽い」というもの。
軽量な桐材使用ラケットは、どれだけ弾んでも間違いなく球威が軽くなります。
木材の性質もそうだし、桐は厚くするのが当たり前なんです。
中芯が厚ければ、球離れが早くなる、というのはさっきも言ったとおり。
もし、洋材を使用していればそこまで球威が軽くなることはないですね。
ティモボルスピリットは珍しく中芯が薄いので、そこまで桐の影響は出ませんが、
天下のバタフライたるもの、桐を多用するのはやめてしっかりした打球感のラケットを作ってほしいです?(*`∧´)/!
洋材ラケット、特にスウェーデン製ラケットが打球感がしっかりしているのは、
製法もさることながら、桐を使っていないという点。
まあトップ選手でも木材の性質なんて分かってない人が殆どですけど(笑)、
厳密に言えばそういうわけなんですよね。
で、桐の見分け方なんですが(笑)、
桐のタンスを見たことがある人なら、桐は白地に濃い茶色のまだら模様になってるのが分かるでしょう。
ティモボルスピリットやプリモラッツカーボンを持ってる人がいるなら、中芯を見てください。
側面から見ると、少し毛羽立ちがあって白い色の中に茶色の線が入っていたり、
茶色の穴が目立つように、幾つも開いているのが分かると思います。
この穴というのは、木が水分を通していた管なのですが、
その茶色の線や、茶色のごまだらが桐の証。
僕は、桐を使ったラケットはお客にオススメしませんね(苦笑)。
バタフライの初心者向けラケットでは、フラジェルム以外全部桐です(爆)。
だから桐を使っていない、ニッタクのトルアを薦める(笑)。
ヤサカはあまり桐を使わないので凄くよかったのですが、
今はイーグルが桐使用なので泣きます(TωT)
因みに、桐は英語で「パローニア」。
昔、バタフライで「パロニア」というラケットがありましたが、
名前どおり中芯に桐を使用した、読んで名のごとくというラケットでしたね。
中芯で使われる木材で、次に多いのが洋材のアユース。
サンバとかワワという別名も持ってますが、
ブレードだけでなく昔は貼り上がりラケットのグリップにも使われてましたねw
バタフライの貼り上がりラケットで、昔「アユース・グリップ」と書かれていたラケットを覚えてませんか?
他にはジェルトンとかあるよね(笑)。昔は守備用ラケットに使われた軟質材でした。
まあそれはともかく(笑)、洋材といっても実際にはアフリカから輸入されるのが殆どで、
ヨーロッパのラケットに多く使用されるので「洋材」と呼んでるだけ。
実際にはアフリカ材、というのが正しいのです(笑)。
アユースは桐と同様に軽量ながら、もう少し質量があり、
ややハードで弾みます。
実は洋材にはもう1つ、アバシという木材があって、
これも中芯で使われるのですがこの2つを見分けるのは非常に難しいですね(;^_^A
見た目はどちらもよく似ています。
ただ、アユースはハードでアバシはソフト。
だから、ソフトなラケットはアバシでハードなラケットはアユースを使っている可能性があります。
因みに、僕が使っている韓陽ファイバースペシャルは、
上板がリンバ、添え芯がアネグレ、中芯がアバシ。
ドニックのワルドナーセンゾーも同じ合板構成、納得だと思いませんか?
前回、佳純ベーシックの中芯をアユースと書きましたが、
アバシの可能性が高いです(^_^;)スンマセンm(_ _ )m
佳純たん、以前コルベル使ってたっけw
だから、コルベルと同じ合板構成で、少し薄くしてソフトに、軽くコントロールを高めたと言えます。
それで、アユース&アバシの見分け方ですが、
桐は茶色の線や穴があるけれども、
アユースやアバシは薄い黄色というか、クリーム色でまだらの線はなく、
無色の小さい穴がポツポツと開いていますね。
ラケットを手にとって中芯を見て、そういうのを見つけたらそれはアバシかアユースですo(^-^)o
皆さん、そういうラケットを使いましょうv(^-^)v
冗談でなく、桐ラケットを使用してそれでフィーリングが阻害され、
卓球選手全般の成長を妨げていることがあるなら、本当に困りますね(・_・;)
でも、スティガしか使ってない国とバタフライしか使ってない国とでは、
選手のフィーリングやスウィングは明らかに変わってくるはずですから。
バタフライも、弾みや軽さだけじゃなくてもっとフィーリングにこだわってほしい(><;)
世界のリーディングメーカーなんだから、責任ってのがあるでしょうに…。
あと、上板ですが和材は別として、洋材の見分け方もお教えしましょうw
コルベルなどに使用されている、波状の深い木目が入った木材、
あれはリンバです。やや硬めでしっかりした打球感を生みますが、
重いので大抵は非常に薄いです。
TSPのリンバンなんかは、名前がそのまま木材ですね(笑)。
先ほどのアユースも上板で使用されることがあり、
木目はあまりなく何だか穴が開いてるような見た目になっていたら、それはアユースです。
ダーカーのレガート2?Aは、上板アユースかな?
他にも、軟らかい打球感のコトがありますが、
コトは濃いクリーム色で真っ直ぐ木目の入った洋材です。
TSPのコトルカやコトニーなどは思いっきりコト使用ですが(笑)、
上板でなく添え芯だった気がします(苦笑)。
有名どころでは、ドニックのパーソンパワープレイが、
上板コトで7枚合板ながらソフトな打球感を実現しています。
珍しい上板ではニッタクのバイオリンで使われているホワイトアッシュ、
これは野球のバットに使われるほどで非常にハードです。
ドニックのオフチャロフセンゾーや紅双喜のディッパーD16に使われていると思われるのが、
これも硬質材であるウォールナット(クルミ)。
ディッパーは超ハードなことで有名ですよね(笑)。
少なくとも僕には使いこなせましぇ?んヽ(;´ω`)ノ
と、そういうわけで、僕は王道合板である韓陽FSラヴですvvvVVV