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島倉さん鬼気迫る最後のレコーディング
2013年11月24日 16時00分

遺影にも使われた2011年にスタジオで撮影されたジャケット写真

 8日に肝臓がんのため死去した島倉千代子さん(享年75)の遺作となったデビュー60周年記念曲「からたちの小径」(作詞・喜多條忠、南こうせつ、作曲・南こうせつ)が、来月18日にシングルリリースされることになった。

 14日の葬儀の冒頭で、収録されたコメントと一緒に流された曲だ。当初はシングルとしての販売予定はなかったというが、日本コロムビア関係者は「葬儀の終わった後に会社のほうに『いつ出るのか』という問い合わせが1000件以上殺到し、その声に応えるため急きょリリースすることになりました」と経緯を説明した。

 昨年12月3日に島倉が直接、南に「60周年記念曲を書いてほしい」と作曲を依頼。南は旧知の喜多條氏に相談し、昭和の名曲「神田川」コンビで楽曲を制作した。

 11月15日に予定していたレコーディングを、島倉さんの依頼により5日に変更。島倉さんの自宅に録音機材を持ち込んで行われたが、そのレコーディングは鬼気迫るものだったという。

 ある音楽関係者は「その時の島倉さんは起き上がるのもやっと、歩くのもままならないといった状態だったそうです。立って歌うということもできずに、イスに座ってのレコーディングだった。それでも、腹水がたまっているため、長時間の座りもきつかったそうで、ディレクターが背中を支えながら、やっと収録できたというものだった」。亡くなる3日前だ。

 それでも、島倉さんは「2~3回は歌い直して納得のいく仕上がりにしたそうです。今年初めの『コロムビア大行進2013』のステージに立った時も、出演後に『コロムビアの仕事だから気力で立っていた』とこぼしていた。レコーディングもそれこそ『気力』だったのでしょう」と語る。

 まさに島倉さんの魂が込められた遺作が仕上がったわけだ。





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