Share...
24 Nov 2013 16:50

ここから本文です

「テレ朝だけじゃない」の声…業界にはびこるキックバック利権

日刊ゲンダイ 11月23日(土)10時26分配信

「テレ朝だけじゃない」の声…業界にはびこるキックバック利権

昔しドンブリ勘定が当たり前/(C)日刊ゲンダイ

「下請けの制作会社にキックバックさせているプロデューサーなんてテレ朝だけじゃありませんよ」

 ため息まじりにこう話すのはさる番組制作会社の幹部だ。

 20日に発覚したテレビ朝日の社員プロデューサー、A氏(45)の懲戒解雇。「ミュージックステーション」や「タモリ倶楽部」といった人気番組を担当し、社内外の評価は高く、映画の監督も務めた敏腕Pだった。

 そんなA氏が制作会社3社からキックバックで約1億4000万円を不正に得ていたという報道は、またたく間に業界を駆け巡った。

「昔のテレビ界はどんぶり勘定が当たり前。だから、名物プロデューサーとか大物テレビマンといわれた人で、役員になれずに会社を去った人たちは大体、“身体検査”で引っかかっている。皆、スネに傷ありなのです。でも、今は企業コンプライアンスが重視されるため、制作費や経費もガラス張り。タクシーチケットも使えない。とはいえ、発注権限を持っていれば、やろうと思えば何でもできる。制作費に上乗せ請求させてキックバックさせるのは古典的な手法ですが、たとえば、大量に発注する弁当屋をどこにするか、スタジオに飾る花屋をどこにするかもひとつの利権。権限を握っている人間がいる以上、不正が生まれる余地はあります」(制作会社幹部=前出)

■テレビマン、3日やったらやめられない?

 下請けの制作会社がキックバック要請を断れないのは、昨今のテレビ界で制作費の大幅削減が進んでいるため。嫌ならよそに仕事を回すといわれたら、中小企業だらけの制作会社はうなずくしか道は残されていない。

「局の系列子会社の制作会社に対してはキックバック要請はできない。それまで名前を聞いたこともない独立系の制作会社が急に業界でのしてきたら、そこを引き上げたテレビマンが必ずいる。何かウラがあるとみていい」(制作会社幹部=前出)

 テレビ屋稼業、3日やったらやめられないとうそぶくヤカラが今なお闊歩(かっぽ)する。真面目に番組作りに取り組んでいるテレビマンはいい迷惑だ。

最終更新:11月23日(土)10時26分

日刊ゲンダイ

 
コメントリニューアルに関するご意見・ご要望につきましては、こちらからお寄せください。