 |
旧弘前偕行社、改修で4年閉館
|
|
12月から本格的な保存改修工事に入り、約4年間閉館する国重要文化財の「旧弘前偕行社」 |
−PR−
|
弘前市御幸町の弘前厚生学院構内にある国重要文化財「旧弘前偕行社」が、老朽化による保存改修工事のため、約4年間閉館する。本格的な工事が始まるのは12月からで、一般公開は今月末までとなる。
旧弘前偕行社は、1907(明治40)年、陸軍第八師団の親睦・厚生施設として完成。イタリアルネッサンス風デザインを基調とした木造平屋の洋館で、同市出身の名匠・堀江佐吉の遺作としても知られる。偕行社の解散後、45(昭和20)年に旧弘前女子厚生学院が移転し、80(同55)年まで同学院とみどり保育園の保育舎として使用した後、弘前厚生学院記念館として自主的に保存。2001年に国重文に指定された。
鳴海春輝館長は「弘前藩9代藩主津軽寧親の別荘跡地であり、偕行社は全国に5カ所しか残っていない。卒業生、卒園生にとって思い出のある学校のシンボルでもある」と旧偕行社の価値を語る。
80年に屋根や外壁の修理を行って以来、大きな修理は行っておらず、れんが積基礎部分の破損、漆喰塗りの剥落による窓枠木部の腐朽など全体的に老朽化が進んでいた。歴史ある建物を今後100年先まで残そうと、同学院が国、県、市の助成を受けて保存修理を行うことになった。
工期は今年11月から17年9月までで、事業費は7億2500万円。地盤調査や耐震診断などを行った上で、基礎や床組、内外装の修理、屋根のふきかえなどを行う。
工事を前に、市民に旧偕行社に親しんでもらおうと、本年度は外部に建物を貸し出し、コンサートやワークショップ、りんごカクテルパーティーなど多彩なイベントが行われた。関谷道夫学院長は「常に使われながら残ってきた建物。保存修理後は市民の財産という観点で、多方面に使ってもらえるようさらに活用法を考えていきたい」と話している。
旧偕行社は11月29日まで、平日の午前9時〜午後4時開館。見学は事前の連絡が必要。同学院は、旧偕行社の改修に伴う環境整備事業への寄付金を募っている。
問い合わせは同学院(電話0172-33-2102)へ。
県外限定!!「東奥日報電子版」 パソコンでその日の東奥日報がまるごと読めます 購読のご案内、申し込みはこちら >>クリック
|
|
|