コーナン商事不明朗取引:全取締役、監査役減俸1〜10割
毎日新聞 2013年11月15日 21時21分(最終更新 11月16日 00時21分)
和歌山県に生まれ、28歳で石油商社を起こした疋田前社長。石油危機をきっかけに78年、コーナンを創業する。ホームセンターの草分けだった。東証1部上場を果たす前年の2000年、元取締役の女性が入社する。中国出身で輸入業務に精通する女性を、前社長は「秘書役」として頼り、公私を共にするようになったという。
しかし、2人の関係は社内に不協和音を生む。ある幹部は「夕方に決定したことが、女性の意向で翌朝覆ることもあった」と振り返る。人事にも介入して「イエスマン以外は排除されるようになった」といい、女性への不満が充満していた。
疑惑が浮上した後も、前社長は取材に「穏便に済ませてほしい」と語っていたが、調査が進むほどに女性の行動は不透明さを増す。発端は、毎日新聞が送付した女性のリベート疑惑などに関する質問状だ。コーナンは9月24日、社内に調査委員会を設けた。女性名義の複数の口座が突然解約され始めたのは、その5日後だった。
女性は調査に対し、口座を友人に貸していると弁明した。しかし、友人の証言は食い違い、口座の解約や開設など不審な操作が繰り返された。「調査でクロと出れば辞める」−−。1カ月前、そう宣言した前社長に辞任以外の選択肢はなかった。【藤田剛】