夕刊フジ 11月21日(木)16時56分配信
韓国が逆ギレした。日本の初代総理大臣で、初代韓国統監を務めた伊藤博文を暗殺したテロリスト、安重根をたたえる石碑を、中国・ハルビン駅に建立する計画について、日本政府が苦言を呈したところ、韓国政府が反発してきたのだ。識者の中には「軽度の制裁措置」を促す声もある。
石碑建立計画は、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領が今年6月、中国の習近平国家主席に協力を要請。朴氏は18日、ソウルで中国の楊潔●(=簾の广を厂に、兼を虎に)国務委員と会談し、計画について「うまく進んでいる」と謝意を表した。
これを受け、菅義偉官房長官が19日午前の記者会見で「わが国は『安重根は犯罪者である』と韓国政府に伝えてきた。このような動きがあるのは日韓関係のためにはならない」と語った。
すると、韓国外務省報道官は同日の記者会見で「甚だしく遺憾だ」と反発。「(安重根は)わが国の独立と東洋の平和のために命をささげた方だ」と主張し、「日本の帝国主義時代に伊藤博文がどのような人物だったか、日本が周辺国に何をしたかをかえりみれば、発言はあり得ない」と激しく批判した。
あまりのエスカレートぶりに、菅氏は午後の記者会見で「随分と過剰反応だなというふうに思う。私は従来のわが国の立場を淡々と述べただけだ」と述べた。
韓国の有力紙などが、朴政権に日韓関係の改善を求める動きもあるが、朴氏は止まらない。今月上旬の欧州歴訪では、日本を批判する“告げ口外交”を展開した。
国際政治学者の藤井厳喜氏は「韓国は、客観的な歴史事実を認めることができない。『日本は悪』という意識だけ。かわいそうな国だ」といい、こう続ける。
「安重根が、日韓併合反対派の重鎮、伊藤博文を暗殺したことで、結果的に併合は進んだ。こうした事実を指摘する学者は韓国では糾弾される。朴氏は『(日中韓で)共通歴史教科書を作成すべきだ』と発言したが、絶対に無理。日本としては、韓国が異常な『反日』政策を続けるとすれば、世界にきちんと反論したうえで、ビザの発給を控えたり、渡航制限するなど『軽度の制裁』を考えるべきではないか」
■安重根(アン・ジュングン) 朝鮮の独立運動家。1879年、朝鮮半島の黄海道海州の両班(ヤンバン=支配階級)の家に生まれる。17歳でキリスト教に入信。朝鮮の日本への従属に反発、中国の上海やロシアのウラジオストクに移り義勇軍を組織するなど抗日運動を展開。1909年、中国黒竜江省のハルビン駅で到着直後の伊藤博文・初代韓国統監を短銃で射殺。翌年に死刑判決を受け旅順刑務所で処刑された。
最終更新:11月21日(木)17時25分
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