【ジュネーブ=久門武史】イランの核開発問題を巡る同国と米英ロなど6カ国との協議は23日、予定を延長して4日目に入り、急きょ外相級に格上げした。ケリー米国務長官ら各国外相が相次いでジュネーブに到着。イランが核開発を縮小し、米欧が経済制裁を一部緩和する「第1段階」の合意を目指し、大詰めの調整に入った。
イランのザリフ外相は23日、国営テレビに「(交渉は)非常に難しい局面に入った」と表明。22日には、未解決の問題が残るとしつつ「90%が進展した」と語っていた。
ロシアのラブロフ外相が22日に現地入りしたのに続き、23日にケリー氏と英仏独中各国の外相が協議に加わるため駆け付けた。ヘイグ英外相は到着後、記者団に「わずかだが重要な差異が残っている」と語った。全体会合に先立ち、ケリー氏はザリフ氏、6カ国の窓口役を務める欧州連合(EU)のアシュトン外交安全保障上級代表と3者で会談した。
20日に始まった今回協議では、核問題の解決に向けた「第1段階」の合意文書案について折衝。当初予定の3日間では溝を埋められず、延長した。イランは平和目的のウラン濃縮活動の「権利」を盛り込むよう主張。米国などは難色を示し、双方が受け入れられる文言を探ったもようだ。
イラン西部アラクで建設中の実験用重水炉の扱いや、どこまで制裁を緩和するかでも隔たりがあるとみられる。イランのアラグチ外務次官は「第1段階」で、石油輸出や金融機関取引への制限といった主要な制裁の緩和を含むべきだとの立場を表明。米国は限定的な緩和にとどめる方針だ。6カ国の中で強硬姿勢を示すフランスとイランの間で対立があるとの見方もある。
米国務省によると、ケリー氏はアシュトン氏と協議したうえでジュネーブ入りを決めた。ハーフ副報道官は22日、ケリー氏が「合意に達する期待」を持って協議に加わると指摘。検討していたイスラエルへの訪問を延期し、イランの核協議打開を優先した形だ。イランと敵対し核武装を懸念するイスラエルは、イランとの合意に傾く米国を強くけん制している。
今回の協議は、8月にイランで保守穏健派のロウハニ大統領が就任し、国際社会との対話を打ち出してから3回目。今月上旬にジュネーブで開いた前回協議は、終盤に急きょケリー氏らが加わり外相級に格上げされたが合意に至らず、再協議に望みをつないでいた。
ケリー、ラブロフ、ウェスターウェレ、ザリフ、ヘイグ、ロウハニ、王毅、イラン
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