みんなの党内がザワついている。特定秘密保護法案をめぐり、渡辺喜美代表がいち早く、安倍晋三政権に急接近したことに、不満が蓄積しているのだ。渡辺氏と江田憲司前幹事長との確執から深まる亀裂。中堅・若手議員の中には新たな行動を模索する動きもあり、年末にも、動乱に発展することもありそうだ。
「党の修正案を相当飲みこんでいただいたので、賛成したいと思う」
渡辺氏は19日午後、特定秘密保護法案について記者団に語った。
しかし、党内の意見は一致していない。同日9時から開かれた党統治機構部門会議では、「賛成を今出すべきではない」「結論を急ぐべきではない」「(賛成は)早急ではないか」などの意見が相次いだ。
ある議員は「渡辺代表と側近の役員以外は『いま賛成すべきではない』と思っている。だが、渡辺代表は安倍首相と食事したことで、有頂天になっている」と語る。
渡辺氏は14日夜、東京・赤坂の中華料理店で、安倍首相や菅義偉官房長官、塩崎恭久自民党政調会長代理らと食事した。2008年から続く「アビーロードの会」の面々だ。いつもは「誰とやるのではなく、何をやるのかを突き詰めるのがみんなの党」が持論の渡辺氏だが、今回は満額回答を得ないままで妥協した。