ダライ・ラマ14世:「知性と優しさ、対話の世紀に」 精華大で講演 /京都
毎日新聞 2013年11月24日 地方版
京都市左京区の京都精華大で23日に講演したチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世。集まった在校生、卒業生ら約1600人を前に、「21世紀を平和の世紀にするならば、武器を使った暴力ではなく、知性と優しさを伴った対話の世紀にしなければならない」と訴えた。また、学生の悩みにも丁寧に答え、肩を抱いて慰めるなど仏教者としての一面も見せた。
ダライ・ラマ14世は「平和とは、一切の問題がないことではない。だが、武器で解決してはならない」と主張。「20世紀は、敵をやっつけることが勝利、だった。人間は他者とお互いに依存し合わなければ生きていけない。敵をやっつけることは、自分をやっつけることだ」と指摘した。そして、世界の国々は軍事費を教育や貧富の格差解消に使うべきだと述べ「2度の原爆を受けた日本は、その主導的な役割を果たしてほしい」と求めた。
ダライ・ラマ14世は1959年のチベット動乱でインドへ逃れ、亡命政府を樹立。非暴力を貫いてチベットの自由を求める活動で89年、ノーベル平和賞を受賞した。【藤田文亮】