国際海洋法裁:グリーンピースの船 ロシアに保釈命じる

毎日新聞 2013年11月23日 22時02分

 【ブリュッセル斎藤義彦】オランダ船籍の活動船に乗った国際環境保護団体グリーンピースの活動家ら30人が北極圏でロシアの海底油田開発に抗議し、ロシアに拿捕(だほ)された問題で、国際海洋法裁判所(ドイツ・ハンブルク)は22日、釈放を求めたオランダ政府の主張を認め、保証金360万ユーロ(約5億円)をオランダが支払う代わりに30人全員を釈放、活動船とともに出国を認めるようロシアに命じた。ロシア側は受け入れに難色を示しており、出国の見通しは立っていない。

 同裁判所は、ロシアも加盟する国連海洋法条約は、排他的経済水域(EEZ)での無許可の漁業や調査が行われた場合に拿捕を認めているが、グリーンピースの活動に対して拿捕は認めていないと判断した。

 拿捕事件は9月18日に発生。ロシア側は当初、最長15年の禁錮刑が科される海賊行為罪で起訴した。10月末にオランダが釈放を求めて提訴。ロシアは国際社会の反発を受け、訴因をより軽い騒乱罪に切り替え、22日までに29人を釈放した。国際海洋法裁判所は釈放の是非だけを判断する。ロシアは活動家の行為はなお「違法」と主張しており、残る1人の釈放と出国については、曲折が予想される。

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