【北野隆一】水俣病患者に寄り添ってきた熊本市在住の作家・石牟礼道子さん(86)のインタビューと自作の朗読で構成する映画「花の億土へ」(1時間49分)の完成披露上映会が25日、新宿区立新宿文化センター(新宿区新宿6丁目)で開かれる。

 監督は映像作家で音楽家の金大偉さん。石牟礼さんの作品世界を描く映画は3作目で、今回は「ラストメッセージ」と銘打っている。「石牟礼道子全集 不知火」を刊行してきた藤原書店(新宿区早稲田鶴巻町)が制作した。

 金さんは2009年から石牟礼さんのインタビューや朗読を計18時間撮り、文明批評や世界観が表れた場面を編集。石牟礼作品に登場する水俣や天草の海や空、山間部のダム湖などを撮影した。東日本大震災の発生後、原発事故により放射能という「毒」がまき散らされた現状についても語ってもらったという。

 上映会は25日午後3時半と午後7時の2回で、入場料1500円。夜の部のほうが席に余裕があるという。問い合わせは藤原書店(03・5272・0301)へ。