Microsoft 技術情報

ターゲットデザイナーの使い方

Target Designerの起動とConfiguration Fileの作成 
tap.exeによるハードウェア構成情報の取得 
ビルド情報の設定 
ハードウェア構成情報の読み込み 
必要なComponentの選択と設定 
Check Dependenciesによる依存関係のチェック 
Build Target Imageによるターゲットイメージの生成 
ターゲットイメージのコピー
Windows® XP Embeddedの起動

Target Designerの起動とConfiguration Fileの作成

スタートメニューよりTarget Designerを起動します

新しい構成を作成します
メニューよりFile -> Newと選択します

作成するConfigurationの名前を指定します、今回は
Configuration id: test と入力
[ OK ]をクリックします

左図がTarget Designerの画面です
Windows® XP Embeddedで利用できるComponent List
 が表示されます
Targetに組み込まれるComponentが表示されます
Componentに関する情報表示や設定を行う画面です
④エラー情報などが表示されます

tap.exeによるハードウェア構成情報の取得

tap.exe を使用しターゲットイメージを取得する

CD \Program Files\Windows Embedded\Utilities
ディレクトリを変更します

tap /o MX3W-ProE
ハードウェア構成情報を取得します
この例ではMX3W-ProE.pmqが生成されます

/oオプションで出力ファイル名(MX3W-ProE)を指定
デフォルト(指定なし)ではdevice.pmqが生成されます

詳細は
tap /?でヘルプ表示!

左図が実行結果です

xxx.pmqファイルはXML形式で生成されます
エディタ等で直接編集することも可能です
興味のある方はメモ帳などでご確認下さい

また*.pmqファイルはTarget Designerだけではなく
Component Designerでも利用できます

Component Designerで読み込み保存した場合は
ハードウェア構成のMacro Componentを作成できます

ビルド情報の設定

次の項目を設定して下さい
①Owner[s]:設計者
②Author[s]:確認者
③Vender:メーカー名
④Copyright:著作権
⑤Description:コメント

①中央ウィンドウのConfigurationからSettingを選択します
②左側ウィンドウのTarget Device Settingの
 |show|more info|のshowを選択し、項目を表示します

③−⑤ドライブ指定をC: -> D:へ変更します
Boot ARC PathPatition(2)へ変更します
⑦D:ドライブの容量を指定します
 今回は4096M(4.0G)Byte

パーティションサイズはH/W構成のサンプルを基準

ハードウェア構成情報(*.pmq file)の読み込み

Target Designerのメニューから
File -> ②Import...を選択

①ファイルの種類(T):にTarget Analyzer files (*pmq)
②今回tap.exeで作成したMX3W-ProE.pmqを選択
[開(O]をクリックする

①ログファイルの保存先と名前を指定
 C:\USERS\test.logを指定
 (任意のフォルダ&ファイル名でかまいません)
[Start]をクリック

ログファイルはImport Errorなど解析に利用できます

読み込みには数分から十数分かかります

左図がImport成功画面です

Import session completed successfully
 のメッセージを確認して下さい
[Close]をクリックして画面を閉じます

上手くいかない場合は指定したログを解析して下さい

左図が実際の取り込んだイメージです
拡大

本作業を毎回行うのが面倒な場合はこの時点のファイルを
保存しておくか、Component Designer*.pmqファイルを
取り込みMicro Component化して利用して下さい

必要なComponentの選択と設定

とりあえず、Windows® XPらしい構成?を作成します

Design Templates左側の[+]をクリックし展開します
②リストからInformation Applianceを選択し追加します
 追加はダブルクリックまたはマウスの右ボタン!
③追加されると中央のウィンドウに表示されます


同様に次のComponent(主に日本語関係)も追加して下さい

・Hardware/Devices/Keyboards/Japanese PS/2(106/109Key)
・Software/System/System Service/Base/NT Loader
・Software/System/System Service/Base/CDFS()
・Software/System/System Service/Base/FAT ()
・Software/System/System Service/Base/NTFS()
・Software/System/System Service/Base/UDFS()
・Software/System/User Interface/Shell/Windows Shell/User Interface Core
・Software/System/User Interface/Shell/Windows XP Explorer User Interface
・Software/System/International/Infrastructure/Japanese Language Support
・Software/System/International/Infrastructure/Microsoft Japanese IME Core
・Software/System/International/Regional and Language Option

)
 CDFSFATNTFSUDFSは使用するフォーマットを選択する
 HDDのみの場合FATNTFSまたは両方を選択すればOK!
 良く解らない場合はFATNTFSを選択、CDを利用する場合はCDFSも選択

日本語を使用できるように設定
Regional Language OptionSettingsを選択します
②右側のウィンドでJapaneseを選択します

スタートメニューの設定
デフォルトではログオフ終了オプションのみ表示されます
User Interface CoreSettingsを選択します
②表示したい項目をチェックして下さい

Show xxxx Start Menu:表示したい項目
Prohibit xxxx:禁止したい項目です
Show Help and Support on Start Menu:
 ヘルプファイルが追加されます、サイズが増える?

Windows® XP Explorer Shell(Luna)の設定
Windows® XPLuna Interfaceを使用する場合に利用します
Windows XP Explorer User InterfaceSettings
 を選択します
[レ]Widnows XP Visual Style(Luna)のチェックして下さい

この項目を選択しないと普通のExplorer Shellになります

Check Dependenciesによる依存関係のチェック

Target Designerのメニューから
Configuration -> ②Check Dependenciesを選択

この行程は環境にもよりますが数分から十数分かかります

左図がチェック結果です
①チェックの結果2つのエラーが発生しています
②ウィンドウを閉じエラー箇所を修正します

右側のスクロールバーでエラー箇所の確認もできます
今回は特に必要では無いので興味のある方は見て下さい

ユーザ判断が必要なコンポーネントが表示されます
①今回は2個とも組み込みます
 []をチェックして下さい
 FATNTFSのみの構成の場合は必要な方だけでも可
[Add]をクリックして組み込みます

①メッセージウィンドウのTasksを選択します
②エラー項目をダブルクリックして下さい
 マウス右ボタン->Actionでも可

①1つ目のエラー情報は一応修正しました
 []Component "xxxxxx...."
②次に2つ目のエラーを修正します
 先ほどと同じようにエラー箇所をダブルクリックします

ここでは起動時のシェルを一つだけ選択します
①今回はExplorer Shellを選択します
[Add]で組み込みます

Command shellはコマンドプロンプトを使用する場合
Task Manager shellはタスクマネージャを使用する場合

①左図のように2個とも修正しました
 []Component "User Intrerface ...."
 []Component "Windows Logon ......"

②再度Target Designerのメニューから
 Configuration -> Check Dependenciesを選択

今度は環境にもよりますが数分で終わります

左図の様に
"No errors or warnings"が表示されればOK
[Close]で終了します

これで依存関係のチェックは終了です

Build Target Imageによるターゲットイメージの生成

Target Designerのメニューから
Configuration -> ②Build Target Image...を選択

ターゲットイメージの生成を行います

①ターゲットイメージの生成フォルダを指定します
 ここではC:\XPe Imageを指定しています
 このフォルダは起動ドライブ、フォルダとは無関係です
 適当な空き領域があるドライブを指定して下さい
[Build]をクリックしビルドを開始します
 この行程には数分から十数分かかります

また設定を変えたり、コンポーネントの変更をした場合
Check Dependenciesを行うか確認されるので
Check Dependenciesを行って下さい
Check Dependenciesの終了後は必ず
[Close]をクリックして行程を終了させて下さい
自動的にビルド行程へは移行しません

左図がビルドの終了画面です
No Error and 1 warningと表示されています
 1 warningはテストビルドの警告です
 テストビルドでは最低90日で起動できなくなります
[Close]をクリックしビルドを終了します

エラーが消えたらファイルを保存します
File -> ②Saveを選択

名前を変更して保存したい場合は
File -> ②Save as...を選択

ターゲットイメージののコピー

左図が今回生成されたターゲットイメージです
XPe Imageフォルダの下に
DriveD <フォルダ>
Boot.ini <ファイル>
NTDETECT.COM <ファイル>
ntldr <ファイル>
WERUNTIME.INI <ファイル>
が生成されています、通常"DriveX"フォルダを除き、
起動ドライブのルートにコピーしますが、
今回は既に開発PCでXPが起動しているので不要です
Windows® 2000で評価している方は、
NTDETECT.COM、ntldrを
C:のルートへコピーして下さい

②フォルダDriveDの内容です
この中身を全てドライブD:のルートへコピーします
ターゲットの起動ドライブの設定をC:\にした場合は
指定フォルダの下に直接生成されます
フォルダの内容を全てターゲットのC:へコピーします

D:\XPe Image
コピーしない C:\
Boot.ini
NTDETECT.COM
ntldr
WERUNTIME.INI
Boot.ini
NTDETECT.COM(※)
ntldr(※)
WERUNTIME.INI
D:\XPe Image\DriveD
コピーする D:\
Documents and Settings
Program Files
Windows
Documents and Settings
Program Files
Windows

※)
Windows® 2000で開発する場合は上記のように
NTDETECT.COM
ntldr
C:\へコピーして下さい
Windows® 2000のローダではXPeはブートできません

最悪の場合システムの起動ができなくなります
リカバリー方法を準備してから行って下さい

C:\boot.ini0を編集します
最後の行を追加してD:ドライブのWindowsから起動できるようにします
ここではpartition(2)を変更して2番目のパーティション(D:ドライブ)から起動します

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[boot loader]
timeout=30
default=multi(0)disk(0)rdisk(0)partition(1)\WINDOWS
[operating systems]
multi(0)disk(0)rdisk(0)partition(1)\WINDOWS="Microsoft Windows XP Professional" /fastdetect
multi(0)disk(0)rdisk(0)partition(2)\WINDOWS="Microsoft Windows XP Embedded[D:]" /fastdetect


◎ また下の様に/noguibootオプションを使用すると起動時のロゴを消すこともできます

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multi(0)disk(0)rdisk(0)partition(2)\WINDOWS="Microsoft Windows XP Embedded[D:]" /fastdetect /noguiboot


Windows® 2000では最初のARC Path違うので編集時にはご注意下さい

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multi(0)disk(0)rdisk(0)partition(1)\WINNT="Microsoft Windows 2000 Professional" /fastdetect
multi(0)disk(0)rdisk(0)partition(2)\WINDOWS="Microsoft Windows XP Embedded[D:]" /fastdetect


ARC Pathについて

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ARC Pathについてはこのページ
 また詳細についてはリソースキット等を参照して下さい


ご注意

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 boot.iniの編集は十分注意して行って下さい
 特に最初から記述されているARC Pathは変更しないようにご注意下さい
 システムが起動できなくなる場合があります

Windows® XP Embeddedの起動

全ての作業が終後したらシステムを再起動します

スタートメニュー -> 終了オプション(U)をクリックします

再起動(R)をクリックします

再起動後、左図のOSに選択画面が表示されます
↑キーと↓キーを使用して
Windows XP Embedded[D:]を選択
[Enter] キーを押して作成したOSを起動します

■実際の起動画面です
下の画面が実際にD:ドライブで起動した画面をキャプチャしたものです
Windows® XP Embeddedを起動すると、各種設定を行い一度再起動します

無事起動!