中国:北東部3省PM2.5測定目盛り「振り切れた」
毎日新聞 2013年10月21日 20時10分(最終更新 10月21日 20時24分)
【北京・石原聖】中国北東部の黒竜江、吉林、遼寧の3省で21日、大気汚染による大規模なスモッグが発生し、黒竜江省で大気汚染の原因となる微小粒子状物質「PM2.5」の濃度が1000マイクログラムと基準値(大気1立方メートル当たりの1日平均75マイクログラム)の13倍を観測した。中国ではPM2.5の最高測定値を1000マイクログラムに設定しているため、中国メディアは「目盛りが振り切れた」と報じている。
中国国営新華社通信によると、スモッグに覆われ始めたのは20日から。黒竜江省ハルビン市では全小中学校が休校となった。吉林省長春市では21日朝、「ちょっと腕を伸ばすと指が見えなくなる」と記者が報道するほどで、高速道路で14件の事故が発生し、空港では22便が離着陸できなくなった。遼寧省でも鉄道が一部運休となり、3省とも高速道路が閉鎖されるなど影響が出た。22日まで大規模スモッグは続くと予報されている。
ハルビン市の10月の気温は平均で最高11度〜最低0.1度。20日から全市で暖房供給が開始されたばかりだが、中国の気象専門家は「4日前からスモッグの兆しがあり、風力が弱いという気象条件が加わった」と指摘。暖房開始による石炭燃焼量の増化とスモッグとの因果関係は明確ではないという。