韓国政府:新たに犠牲者名簿発見…関東大震災と独立運動
毎日新聞 2013年11月19日 20時54分(最終更新 11月19日 21時52分)
【ソウル澤田克己】韓国政府は19日、関東大震災(1923年)での朝鮮人虐殺と日本の植民地支配に抵抗した「3・1独立運動(19年)」鎮圧での犠牲者、元戦時徴用工という3種類の名簿が新たに見つかったと発表した。関東大震災と3・1独立運動に関する名簿の発見は初めてといい日韓間の新たな火種になる可能性がある。
今年6月、新築された在日韓国大使館の引っ越し作業中に倉庫から出てきた。
韓国の国家記録院による分析で、李承晩(イ・スマン)大統領(当時)が52年12月の閣議で作成を指示したことが分かった。国交正常化へ向けた第2回日韓会談が翌53年4月に開かれており交渉準備の一環のようだ。朝鮮戦争のさなかだったが全国の行政組織を動員し調査された。
関東大震災時の犠牲者名簿は290人。数千人以上とする推定もあるが、韓国政府は「韓国内だけの調査で、戦時中で行政が機能していない地域もあり人数が少なくなったのでは」と説明している。「憲兵に銃殺された」との記述がある一方、「地震で死亡」とだけ記載された人もいた。
3・1独立運動の犠牲者名簿は630人、元徴用工の名簿は22万9781人だった。徴用工名簿には、従来の名簿に載っていなかった人もいたという。
韓国は日韓会談で、元徴用工の未払い賃金など8項目の「対日請求権」を要求。日韓両国は65年の国交正常化の際、日本が5億ドルの経済協力を行うことで請求権問題を解決することとした。